連載「The BLUEKEEPERS project」とは……世界が直面する環境課題への意識向上を目的としたチャリティコンサート「My Planet」。その主宰はヴァスコ・ヴァッシレフさん。英国ロイヤル・オペラ・ハウスの首席客演コンサートマスターとして知られ、英国王チャールズ3世の戴冠式でもその重責を担った。「My Planet」は、ここ日本でも3月末に開かれたが、そのサポートを担ったのがセイラーズ フォー ザ シー日本支局 理事長であり、OCEANSのSDGsアドバイザーの井植美奈子さんだ。
このたび両者による対談が実現。ヴァスコさんの環境活動、コンサートの経緯など聞いた模様を全3回でお届けしよう。
【写真9点】「“共鳴”が生んだ日本公演。世界的音楽家ヴァスコ・ヴァレッシフが語る環境へのまなざし」の詳細を写真でチェック
[左]井植美奈子(いうえ・みなこ)⚫︎ディビッド・ロックフェラーJr.が米国で設立した海洋環境保護NGO[Sailors for the Sea]のアフィリエイトとして独立した日本法人「一般社団法人 セイラーズ フォー ザ シー 日本支局」を設立。京都大学博士(地球環境学)・東京大学大気海洋研究所 特任研究員。総合地球環境学研究所 特任准教授。OCEANS SDGsコンテンツアドバイザー。[右]ヴァスコ・ヴァッシレフ(Vasko Vassilev)⚫︎ヴァイオリニスト・指揮者/ブルガリア出身。8歳でソフィア・フィルハーモニー管弦楽団と公演しレコードをリリース。10歳からモスクワ音楽院に留学し、数々の国際コンクールで受賞。1993年、史上最年少の23歳で、英国ロイヤル・オペラ・ハウスのコンサートマスターに就任、2005年には同クリエイティブ・プロデューサーに就任。ブルガリア文化大使も務めている。
共鳴が導いた、「My Planet」の日本開催
井植美奈子さん(以下、井植) アジア初の開催となったMy Planet、本当に素晴らしかったですね。東京音楽大学、神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校、そして国連大学での3公演。どれも異なる良さがありました。
ヴァスコ・ヴァッシレフさん(以下、ヴァスコ) 音楽学校の学生に高校生楽団。それぞれの世代の演奏のパワーが感じられましたね。

ヴァスコ 日本公演ではヴィヴァルディの「四季」にフォーカスを当てました。日頃とっつきにくいと思われてしまうクラシックの敷居を低くするためにも、マジシャンがマジックを披露したり、映像を流したりと親しみやすい演出にしたんです。その結果、多様な客層に楽しんでいただけたようで何よりです。
井植 My Planetですが、いつ頃構想して始めたものなのでしょうか?
ヴァスコ 地球環境を守る意識を、慣れ親しんだ音楽を通して伝えようと思ったのが始まりです。そこで、スペイン・バレンシアの音楽院の院長であるトランペット奏者と立ち上げました。初公演は2019年のスペイン。当時から一緒に演奏しているメンバーの一部も、今回来日していますよ。今では若い世代も巻き込みながら、プロジェクトは少しずつ広がってきています。
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