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石灰岩の大地に根を張る。次の世代へつながるワイン


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取材で訪れた2月は、収穫を終えた畑が次の季節へ向けて動き出す頃。スタッフは剪定ばさみを手に、枝を一本ずつ見極めていく。どの芽を残すか。その判断ひとつで、春の芽吹きも秋の実りも変わってくる。

剥き出しの石灰岩層。日本でこれほど豊かな石灰岩土壌でぶどうを栽培するワイナリーは、そうそうない。

剥き出しの石灰岩層。日本でこれほど豊かな石灰岩土壌でぶどうを栽培するワイナリーは、そうそうない。


この畑では、シャルドネやメルローといったヨーロッパ品種のぶどうを多く育てている。その背景にあるのが、この土地の石灰岩だ。世界の名だたる産地でも評価されるこの土壌で、ヨーロッパ品種がどこまで応えるのか試してみたい、という思いがあった。

石灰岩同士を擦り合わせると、硫黄のような香りが立ち込める。4億年前の地層が、今も生きている証拠だ。

石灰岩同士を擦り合わせると、硫黄のような香りが立ち込める。4億年前の地層が、今も生きている証拠だ。


一方で、シャインマスカットやピオーネといった品種も残している。地域の農業を長く支えてきた、この土地の記憶だからだ。新しい挑戦と土地が育んできたアイデンティティ。その両方を畑のなかに抱えながら、「ドメーヌテッタ」はぶどう作りを続けている。
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長年畑を守っているローカルのシニアの方も貴重な戦力。キャリア20年超のベテランも。

長年畑を守っているローカルのシニアの方も貴重な戦力。キャリア20年超のベテランも。


醸造では余計な操作をくわえない。野生酵母で発酵させ、補糖や補酸もしない。「“クッキング”はしないほうが、畑の味が素直に出ると思うんです」と高橋さん。

毎年同じ味を目指すこともしない。その年の気候が育てたぶどうの個性を、そのままボトルに映す。

看板犬のアルバとフラン。獣害に悩まされた6年前、その対策として農園にやってきた。今ではスタッフを癒やす、家族の一員。

看板犬のアルバとフラン。獣害に悩まされた6年前、その対策として農園にやってきた。今ではスタッフを癒やす、家族の一員。


もっとも、この土地のポテンシャルが本当に証明されるのは、まだまだ先の話だという。「石灰岩のキャラクターがはっきり出るのは、樹齢が30年、40年くらいになってから。自分たちの代は土台作りですね」。

そう語る高橋さんの目は、この土地の未来をまっすぐ見据えていた。
「Domaine Tetta」
住所:岡山県新見市哲多町矢戸3136
電話番号:0867-96-3658
tetta.jp
3/5

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