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塩職人への入り口は『ハリー・ポッター』

塩職人 内田翔璃さん●2006年、愛知県生まれ。塩職人。ARK Peace Corporation 代表取締役。英国留学時に国際的な視野と感性を培い自国への意識を高める。次世代のため明るい社会づくりに貢献したいと模索するなか塩づくりと出合う。

塩職人 内田翔璃さん●2006年、愛知県生まれ。塩職人。ARK Peace Corporation 代表取締役。英国留学時に国際的な視野と感性を培い自国への意識を高める。次世代のため明るい社会づくりに貢献したいと模索するなか塩づくりと出合う。


実のところ退学したのは英国ウォリックシャー州の街、ラグビーにある高校だ。全寮制の中高一貫校で、生徒が卒業後に目指す大学は、同国最高学府のケンブリッジやオックスフォードである。
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「きっかけは『ハリー・ポッター』でした。幼い頃から大好きだったんです。両親が救育熱心で小学生のときは中学受験を視野に入れ通塾していたのですが、あるとき、『ホグワーツ魔法魔術学校のような学校に行きたい?』と聞かれて。もう二つ返事でした。そうしたら招待状が届いて。もちろん両親からですけどね」。

大好きな『ハリー・ポッター』を生み出した地で、国際色豊かな同級生たちと楽しく過ごした学生時代。ラグビーにも精を出した。

大好きな『ハリー・ポッター』を生み出した地で、国際色豊かな同級生たちと楽しく過ごした学生時代。ラグビーにも精を出した。


中学進学を機に渡英。現地に入り、目に映る光景はスクリーンで見たようなものばかり。だが心を躍らせ入学した学校に魔法使いはいなかった。机を並べたのは各国のエリート予備軍である。

「みんな異なるバックグラウンドを持っていて、それぞれが自国の良いところを堂々と発言していました。でも当時の僕は日本の良さとか全然わからなくて、春になると桜が美しく咲き誇るんだよといったことさえ伝えられずにいたんです。日本人が少ない学校だったので日本を代表しているような気持ちにもなるのですが……言葉を紡げない自分に、ちょっとがっかりしたところがありました。
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そんな経験を通して、生まれ育った国の素晴らしさをきちんと伝えたいという思いが強まり、自学するなかで日本の良さに気付いていく一方、自給率の低さといった課題点にも目が向いたんです」。

それが13歳のとき。やがて関心は農業分野に向いていったが、13歳の少年にできることは限られ、まずはこれまで読んできたビジネス本や自己啓発本などの要約をインスタグラムにポストしていった。すると経営者や投資家、起業家がフォローしはじめ、内田さんは彼らに話を聞きたいとDMを送る。

そこでつながった100人超の人たちと実際に会い、自身の思いも伝えてきたなかで、「面白い人がいるよ」と紹介してくれたのが、現在の師匠である塩職人の山下勤也氏。15歳の冬の出来事だった。
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