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「生き方を変えたかった」旅行先のインドで頭を丸める

47歳でIT業界のCEOから突如無職となった小野さんは、友人とインドへ訪れることにした。
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「実は一緒にインドへ行った友人が、その少し前に日本で突然、仏門に入ったんです。それで面白い、と彼とたまたまインドへ行くことにして。行くとなってから佐々木秀麗上人の本を読んで衝撃を受けました」。

1.5億人インド仏教界を率いる佐々井秀嶺上人(2024年10月、龍光さん撮影)。

1.5億人インド仏教界を率いる佐々井秀嶺上人(2024年10月、龍光さん撮影)。


佐々井秀麗とは半世紀以上カースト差別と闘いインド仏教に復興してきた、インド仏教界1億5000万人の頂点に立つ日本人の僧侶である。インドのモディ首相も会いに行くほどの権威者だが、この佐々木上人との出会いが小野さんの人生を変えることとなった。

「上人の住むナーグプルへ行って4日間ご一緒させてもらって上人の凄みを実感しました。街ではどこに行っても彼のもとに人が集まって、何よりもうれしそうな顔で感謝を述べたりする。彼がいないときでも人々は、佐々井上人にいかに助けられたか話をしてくる。そんな人物でありながら、本人は今でも狭いワンルームでシャワーもトイレもない部屋でお金を持たずに生活しているんです」。
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佐々井上人と共にしている間に小野さんは、「坊主になれ」と何度も勧められた。

「2週間悩んだけど、佐々井上人の生き方、仏教的な生き方は自分がそれまで感じていた違和感の答えに繋がっているような気がしたんです。それと年に一度しかない仏教の大改宗祭がちょうど同じ時期にあったことも運命的に感じて。それで頭を丸めて帰国しました」。
 

運命的な流れで仏門に入った龍光さんだが、その仏教とはタイやミャンマーなどで信仰されている上座仏教である。本来の戒律では妻帯も許されていない。

「人様に役に立つ生き方をしたいのに、20年僕を支えてくれた妻を切るのは違う気がして、それも上人に正直に伝えました。僕は僧侶になりたかったわけではなく、生き方を変えたかった。ただ縁があった人に対して自分のできる範囲で励ましたい、だったらこのままでもいいのではないかと。上人にもそのままでいきなさいと仰っていただきました」。
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