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17年のインフラを解き、笑いの配管を引き直す


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サンパチマイクの右側が私たちが知る川西さんの定位置だが、現在は広い舞台を1人で歩きまわる「ワンマントークショー」が新境地。隣にいたはずの相方も、完成された型もない場所で、どんな挑戦をしているのだろうか。

「まだ1人になって2年。舞台も数回しかやってないヨチヨチ歩きの僕が偉そうには語れませんが、漫才もワンマントークショーも喋って笑いを生む点はまったく同じ。違いは人の数だけだと思います。何を喋るかは本来漫才も自由なはずなので。

ただ、作り手としての難しさは全く別物です。漫才なら17年かけて築いた笑いのインフラがありました。どう投げればどうウケるかという回路もできていた。だけど、1人の場合は僕の経験値も足りないし、まだ配管が整ってない。どうやったら笑いになるかは勉強中です。試作して対策して、舞台で何度も試すしかありません」。
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そう話す川西さんだが、東京公演は満員御礼。幾度となく大きな笑いの渦も起きていた。本人に手応えを問うと、安堵よりも自省、満足よりも渇望。どこまでも愚直な答えが返ってきた。

「初日として、ひとまずはやり切ったと思います。ただ、手応えという意味では課題も見えました。 ドカンと笑いが起きるような大砲を何本も用意してたけど、その手前にある手裏剣サイズの小さな笑いが予想以上にウケ続けて……。これだけ手裏剣がハマるなら次の大砲はみんなひっくり返るで〜と期待して打ったらそれは当たらない(笑)。スコーンとこけることもありました。

こっちの方が絶対いいネタなのになぁって自信がある分、へこみますよ。その辺の難しさは漫才以上かも。でもよく考えれば、漫才をしてた時の僕は手裏剣しか投げていない。大砲を打つのはあくまでもボケの役割なので。

きっと、僕の既存イメージと今の僕のパフォーマンスがまだ重なっていない。それが一致していけば、安心して笑えるようになるのかなと。ウケなかったところは見直して、何パターンか仮説を立てて、次の舞台で試します。ただ、時間がかかることもわかっているので、ここからです。来年、再来年、5年、10年と地道に続けていく糧にしていきます」。
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