埋もれたくないから自分色に染める

取材当日、新宿の吉本興業に現れた藤田さんは、あらゆる意味で目立っていた。ハーレー特有の腹に響く重低音、300kgを超える巨体。加えて、鮮やかなアウターの色がひときわ目を引いた。
「ハーレー乗りって、『かっこつけて目立ちたい』からこのバイクを選ぶのに、いざツーリングスポットに集まると、みんな真っ黒なウェアに真っ黒なバイク、黒のエンジニアブーツを履いてる。誰が誰だか見分けがつかないくらい一緒なんですよ。
目立ちたいのに埋もれちゃうのが嫌で、俺はあえて人が選ばない色のウェアを着て、自分なりのスタイルを追求しています」。



愛車本体にも、至るところにこだわりが詰まっている。シートのステッチは特注でゴールドに変更。要所に配されたパーツもそれに呼応するようにゴールドの輝きを放つ。さらに特筆すべきは、世界的な職人に依頼したという「ピンストライプ(手描きの装飾)」の存在だ。
「このヘルメットの模様は、ピンストライパーという職人に手描きで入れてもらったものです。左右対称に、一筆で描き上げていく。そういうアメリカの古い文化や歴史を知るのも、バイクの楽しみの一つですよね。
あと、マフラーはドイツの『ジキル&ハイド』という可変式のものに変えています
※。ボタン一つで排気音を状況に合わせてコントロールできるから、住宅街では静かに、高速道路では野太いVツインサウンドを響かせられる。周囲に配慮しつつ、自分も楽しむ。その辺のマナーは守ってるかなと思います」。
※ 掲載車両のマフラー(Dr. Jekill & Mr. Hyde製)は、欧州指令(EU指令)適合の「eマーク」を取得した車検対応モデルです。走行の際は国内の道路運送車両法および保安基準を遵守してください。

さらに、後方には特徴的な三角形の「シーシーバー(背もたれ)」がそびえ立つ。このタイプの走りを重視したモデルに、敢えてクラシカルなパーツを付ける「崩し」の美学が垣間見える。
3/4