ゾンビに襲われても逃げ切れる時速250kmの切り札

速い車=スポーツカーというベタな発想もあったが、ファミリーカーとしては不適切で即NG。村上さんはSUVという着地点に辿り着く。
「スポーツカーはカッコいいけど利便性が低い。いろいろ調べていくうちにSUVというカテゴリーがあることを知ったんです。そこから候補がずいぶん絞れましたね。
で、たどり着いたのがアウディのRS Q3。ギラギラしすぎず上品で、家族も乗れるし荷物も詰める。そして何より時速250kmまで出せる圧倒的なスペック。アウディっていうポジションも僕にちょうどいいなと」。


「パッと見は普通のアウディのSUVなのに、詳しい人が見たら『おい、キャリパーが赤いぞ!』とか『これRSじゃん!めっちゃ速いんだよな』ってわかってもらえる。フェラーリやランボルギーニに近いスピードが出るなんて思わないでしょ? それが最高なんですよ(笑)」。


SUVという言葉から連想される快適さとは対極にある、RS Q3の凄まじい動力性能。並み居るスポーツカーをも置き去りにする瞬発力を、村上さんは独特の表現でこう語る。
「この車、0から100キロに達するまでが4.5秒なんです。それって相当すごいらしいんですよ。実際、アクセルをちょっと踏み込んだだけで『ドンッ!』といっちゃう。初心者の僕には危ないくらいのレスポンスですが、それこそが『速い車』の本当の意味なんだと運転して初めて知りました」。


さらに驚くべきは、運転席の目の前に広がる景色。実速は250km/hだが、バーチャルコックピットに映し出されるスピードメーターのメモリは「320km/h」まで刻まれている。
「メーターが320まであるってことは、時速100の走行は能力の3分の1。高速道路を走っていてもポテンシャルの2割程度しか使ってない感覚があります。それくらい余裕。でも、それでいいんです。街乗りじゃその凄さは出せないけれど、有事の際は見てろよって。ゾンビとか強盗に追いかけられても、本気を出せばぶっちぎれますから。
底知れない能力を隠し持って、あえて80キロで静かに流す。それが最高に気分いいし、大人だなって(笑)。今の時代にほぼ存在しない直列5気筒エンジンの不協和音も大好きです」。
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