
本格的に到来した花粉症シーズン。2026年の花粉飛散量は、一部の地域で昨年の6倍を超えるとも予測されている。
そんななか、近年注目されているのが「腸内環境」、とりわけ「酪酸菌」からのアプローチだ。
ぬか漬けにも含まれるというこの菌は、我々の体にどう作用するのか。腸内細菌研究の第一人者である内藤裕二医師に話を伺った。
【写真3点】「花粉症対策の最前線!ポイントはぬか漬けにも含まれる“酪酸菌”だった」の詳細写真をチェック 話を聞いたのはこの人!
内藤裕二●京都府立医科大学大学院医学研究科教授。専門は、腸内細菌学、抗加齢医学、消化器病学。2023年には胃腸の機能低下と病気のリスクの関連について研究する「⽇本ガットフレイル会議」を設⽴。著書に『健康の⼟台をつくる腸内細菌の科学』(⽇経BP)など。
花粉症対策の新たな鍵。なぜ今「腸」なのか?

花粉症といえば、マスクや薬による対策が一般的だが、なぜ今「腸内環境」に関心が寄せられているのだろうか。内藤先生はこう語る。
「腸は食物から栄養を取り入れ、有害物質を排出して健康を維持するだけでなく、免疫細胞の約70%が集まる『免疫系の要』でもあります。
そんな腸内には100兆個もの細菌が棲みつき『腸内フローラ』という集団を形成しているのですが、これまでの研究で、このフローラの乱れが花粉症などのアレルギー疾患に関連することが分かってきました。
だからこそ、今『腸内環境』を健康な状態に整えることが重要視されているんです」。
無数の菌が相互に影響しあい「腸内フローラ」を形成。出典:酪酸菌大百科
花粉症の症状が重い人と軽い人では、腸内環境に明確な違いがあるという。
「アレルギー性鼻炎のある子どもは、そうでない子どもと比べて腸内細菌の種類が少ない傾向が見られたという研究があります。さらに、症状が重い子どもほど腸内細菌の多様性が低く、免疫バランスや粘膜の防御機能を支える菌が減少していることも報告されています。
このことからも腸内環境の状態が花粉症の症状の程度に関わっている可能性があると言えますね」。
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