1棟ワンフロアが生む、柔軟な生産体制
旧工場では8棟に分かれていた生産設備を、新工場では1棟ワンフロアに集約。材料の入荷から出荷までを、生産工程に沿ったコの字型の動線で配置している。
新工場を象徴するのが、岩手県産木材を用いたH型構造の「ファクトラインシステム」だ。これは、配線や配管、照明を一体化し、ミシンの配置を現場判断で自在に変更できるというもの。
モデルや仕様ごとに最適な工程を組み替えられるため、多品番展開が前提となる水沢ダウンにとって理にかなった仕組みと言える。

工場で働くのは18歳から70歳超まで、女性を中心とした118名(2025/10/29時点)。完全バリアフリー設計に加え、台車やラック、作業テーブルはすべて移動式で高さ調整も可能だ。
誰もが無理なく作業できる環境づくりが、結果として製品の安定した品質につながっている。
新工場を見て感じたのは、水沢ダウンが“ひとつの完成形”を量産するための場所ではない、という点だ。
生産ラインは固定されておらず、モデルや仕様に応じて柔軟に組み替えられる。だからこそ、「ルーセント」のような挑戦的なモデルと、長年支持されてきた定番モデルを、同じ場所で並行して生み出すことができる。
「どう作るか」ではなく「何を作るか」に集中できる環境。そのアップデートが、水沢ダウンのラインアップ拡張を下支えしている。
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