
2025年も、いよいよカウントダウン。時計好きにとって一年を振り返るうえで、“どのモデルが一番選ばれたのか”は見逃せないトピックだ。
今回フォーカスするのは、世界に誇る日本のセイコーブランド。圧倒的な選択肢を誇るそのラインナップのなかで、「今年、最も売れた一本」は果たしてどのモデルなのか?
セイコー プロスペックス、セイコー アストロン、キングセイコー。主要3ブランドの“2025年売り上げNo.1モデル”をご紹介。その結果から、今年のリアルな支持が見えてくる。
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ダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT(SBEJ029)
SSケース、42㎜径、自動巻き。24万7500円/セイコーウオッチ 0120-061-012
1965年、セイコーが発表した国産初のダイバーズウォッチ。その系譜を受け継ぎ、過酷な環境に挑み続けるプロフェッショナルのために進化してきたのが、セイコー プロスペックスだ。実用性と信頼性を徹底的に磨き上げたコレクションを展開し、今や世界中のファンから支持を集めている。
プロスペックスで2025年の売り上げNo.1に輝いたのが「ダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT(SBEJ029)」。1968年誕生のヘリテージダイバーズをベースに、GMT機能を追加したハイスペックモデルだ。ベゼルにブルー、ダイヤルにホワイトシルバーという爽快なカラーリングも実にいい。

300m空気潜水用防水や6段階で長さを調整できるブレスレットなど本格スペックも◎。海でも街でも頼れる万能性こそが、多くの支持を集めた理由だ。プロスペックスの哲学を凝縮した、まさに“今選ばれるダイバーズ”である。
セイコー アストロンのNo.1
ネクスター(SBXC175)
チタンケース、44.1㎜径、ソーラーGPS。35万2000円/セイコーウオッチ 0120-061-012
1969年発売の世界初のクオーツウオッチ「クオーツ アストロン」の名を受け継ぎ、2012年に誕生したセイコー アストロン。その名は、常に“次の時代”を切り開いてきたセイコーの技術力を象徴する存在だ。現在はGPSソーラーという先進技術を武器に、グローバルに活躍する大人の腕元を支えている。
今年多くの支持を集めたのは、「ネクスター」シリーズのハイエンドモデル。ケースとブレスレットには軽量なチタンを採用し、随所に施した鏡面仕上げが、スポーティな表情のなかに確かなエレガンスをもたらす。

搭載するGPSソーラームーブメントは、世界中どこにいても自動で時刻を補正し、常に正確な時間を表示。ビジネスからトラベル、そして日常まで。シーンを選ばず活躍する一本だ。アストロンの進化を端的に示す、まさに“次世代のスタンダード”と呼ぶにふさわしい。
キングセイコーのNo.1
バナック(SDKV001)
SSケース、41㎜径、自動巻き。39万6000円/セイコーウオッチ 0120-061-012
1961年、セイコーが本気で高級腕時計としての性能と先進的なデザイン、そして適正な価格の共存を目指した証しとして誕生したキングセイコー。精度と仕上げを徹底的に磨き上げ、国産高級時計の礎を築いた存在だ。そのクラフツマンシップは現代にも脈々と受け継がれ、クラシックな佇まいと日常使いに耐える実用性を高次元で融合させている。
そんなキングセイコーの2025年No.1モデルに選ばれたのが「バナック(SDKV001)」。1972年モデルをベースに、鮮やかなカラーリングと大胆な多面形ケースを採用。ダイヤルには水平方向に広がるストライプの型打ちパターンを施し、12時位置のインデックスと秒針のカウンターウェイトには「VANAC」の頭文字である“V”のシルエットを忍ばせた。

ムーブメントには、日差+10秒〜−5秒という高精度を誇る機械式を搭載。視覚的なインパクトだけでなく、道具としての信頼性も抜かりない。キングセイコーらしさを現代的に体現した一本なのだ。