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成熟と変革で盛り上がる盛岡のラーメンシーン

近年の盛岡はこれらの老舗に加え、「らあめんサンド」、「こまつ中華蕎麦」のような淡麗系から、「踊ろうサンダーバード」、「豚メンMAX」のようなガッツリ系、「人力俥」、「めん処 きよ洲」、「に干し屋 SINCHAN」のような魚介を主軸に据えた1杯を繰り出す店舗に至るまで、多彩な顔触れが台頭。食の地図が立体的な広がりを見せている。
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市の中心部のみならず、青山・厨川・盛岡飯岡といった郊外にも良店が増え、ラーメン食べ歩きの射程が格段に伸びた。とりわけここ数年は、一都三県等で培った最新のラーメン創作技術を持ち込む店舗(「こまつ中華蕎麦」、「めん処 きよ洲」など)が続々参入し、盛岡ラーメンシーンは成熟と変革の両輪でさらなる盛り上がりを見せている。

盛岡に新たな風を吹き込む新店、「こまつ中華蕎麦」のしおそば。

盛岡に新たな風を吹き込む新店、「こまつ中華蕎麦」のしおそば。


盛岡を訪れる際には是非、時間を味方に付け、老舗と新鋭の双方に足を運んでもらいたい。ある店では、数十年の時を超えて受け継がれた熟練の味に深い感慨を覚え、別の店では、研ぎ澄まされた技術が紡ぐ素材と素材の競演が五感を鮮やかに揺さぶる。街の表情と同じく、ラーメンもまた、多層的であるが故の豊穣を宿す。

今回は、そんな綺羅星の如き盛岡の優良店の中から、お薦めを紹介したい。具体的には、私が辿った最近の旅程の中から、特に光彩を放った4軒を採り上げることとする。
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東京から気軽に訪ね歩くにはやや遠い。しかし、その距離こそが旅の価値を引き上げ、1杯との出逢いをかけがえのないものとする。是非、盛岡という街の滋味の粋を、存分に味わい尽くしてもらいたい。
3/3

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