OCEANS

SHARE

advertisement
  1. トップ
  2. ライフ
  3. 「クリスマスは食の耐久レースだ!」実はロマンチックじゃない!? イタリア現地の様子をマッシが激白

2025.12.23

ライフ

「クリスマスは食の耐久レースだ!」実はロマンチックじゃない!? イタリア現地の様子をマッシが激白


advertisement

「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは……

クリスマスにイチゴのショートケーキを食べるのは日本だけ、とはよく聞く話。だが、本場イタリアのクリスマスにも必ず食べるものがあるとマッシさんはいう。そしてイタリア人にとってのクリスマスはロマンチックとはほど遠く、「胃袋・信仰・家族」が試される壮絶な時季なのだとか。え、どういうこと? 教えてマッシさん!

【写真11点】「イタリアのクリスマスの主役は」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いと面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いと面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

イタリアに「クリスマスケーキ」は存在しない

日本の12月の狂騒は独特だ。街は極彩色の光に包まれ山下達郎の歌が流れて、恋人たちは高級フレンチの予約枠を争っている。そして何より、日本のクリスマスには絶対的な主役が存在する。純白の生クリームに深い赤色のイチゴが乗っている、「クリスマスケーキ」だ。
advertisement

もし読者のみなさんが「イタリアでもクリスマスには豪華なデコレーションケーキが食べられるんだろうな」と思っているなら、それは大きな勘違いだ。

イタリア現地のパティスリーでは、実はクリスマスケーキが存在しない。ショーケースを埋め尽くすのは、茶色いドーム型の焼き菓子ばかり。「あの、生クリームのケーキは……?」と尋ねようものなら、店員さんに哀れみの目を向けられるだろう。「ここはイタリアだぞ。Natale(クリスマス)はパネットーネに決まってるだろう。冷蔵庫が必要なケーキなんて、この時季に誰が食べるんだ?」と。



そう、イタリアのクリスマスに、ふわふわのスポンジケーキなど存在しない。あるのは、茶色くて巨大で、ドライフルーツが入った発酵菓子「パネットーネ」と「パンドーロ」だけ。意外かもしれないけど、ロマンチックな日本のクリスマスとは違い、イタリアにとっては「胃袋」「信仰」「家族」をかけた、壮絶な時季なのである。

イタリアのクリスマス商戦は、日本と同じように早い。11月上旬に入ると、スーパーマーケットの通路は巨大な台形の箱で埋め尽くされて迷路になる。その中身こそが、イタリアの冬の象徴、パネットーネだ。


2/3

次の記事を読み込んでいます。