OCEANS

SHARE

当時の決意と憧れがダメージに滲む501


advertisement

「ここ数年は東京で生きていくためのファッションをしていました。いわゆる無味無臭の嫌われない服。とにかくロゴ物は着ない、黒で統一、を徹底していましたね。その頃、持っていたリーバイスをほとんど手放してしまったんです」。

ただ最近、心境の変化が起こった。きっかけはファッションに精通する奥様だ。

「妻はもともとファッション業界の人。彼女、めっちゃ服を買うんですよ(笑)。横で見ていると、やっぱり自分も欲しくなってくるじゃないですか。それで、昔から好きだった古着をまた買うようになりました」。
advertisement



今回お持ちいただいたのは2本のリーバイスジーンズ。唯一手放さなかった1本と、最近購入した1本である。それぞれまつわるエピソードや購入時期は異なるものの、込めた想いは一様に熱いことが伝わってくる。



「これは、2012年ぐらいにリーバイスのお店で買ったリーバイスビンテージクロージング(LVC)の501XX。一番太いやつでお願いしますとオーダーしたら、1933年のモノを背景に復刻させたこのモデルをおすすめされました。ウエスト33のレングス36で、最初はリジッドで買ったんですがもうボロボロなっちゃいましたね」。




「ただ、そんな状態を作りたくて穿き続けたところはあります。飲食店で働き出した最初の頃はずっとこれを穿いていました。当時は知識もなく普通に洗剤で洗っていたので綺麗なタテ落ちではありませんが、なぜかどうしても手放せなかった。今でもたまに穿きますね」。




「これを買った当時はアディダスのスニーカーをコレクションしていて、着こなしの参考にしていたのがアディダスオリジナルスのスタッフ。みんな洒落ていて、全身古着でまとめながらスニーカーだけは現行品というスタイルでした。

彼らは太いパンツをロールアップし、シューレースをギュンギュンに締めたスーパースターなどを合わせていたんです。その影響もあって、太いパンツを探していました」。
3/3

次の記事を読み込んでいます。