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505に凝縮された最近の嗜好性とこだわり


そしてこちらは最近懇意にしているという鎌倉の古着店、サーカスヴィンテージで購入した1本だ。そこにはジーンズを選ぶ目線の変化やこだわりがのぞく。
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「サーカスヴィンテージのオーナー・アツシさんにおすすめしてもらった'80年代ぐらいの505です。新店舗を出すというタイミングで、お祝いがてら思い出になりそうなやつをとリクエストしたらこれを薦めてくれたんです。ほんのり縦落ちっぽさもありつつ、ややテーパードがかったいなた過ぎない1本。今はこういうのが穿きやすいですよね」

そう考えるようになったのもまた奥様の助言。今、重視しているのは自分に似合うかどうかだ。
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「それまでは物のカッコよさで服を選んできたんですけど、妻の選び方を見ていると、体つきを含めどう見えるかにフォーカスしている。それで考えたんです。年齢的にも太いジーンズを穿いていると若僧感が出やすいんですよね。

もうちょっとおじさんになったら渋く見えるとは思うんですけど。ややテーパードがかかっている方がクリーンに見えるし今の年齢にちょうどいいなと」。

今回合わせたのはデニムシャツ。さらに、かなり希少なワークウェアをラフに羽織った。



「アメリカ古着が好きで買い集めていましたが、そこで実感したのがサイズの難しさ。Sだとちょっときついけれど、Mにすると今度は袖が長いという事実。この’70年代のビッグマックのデニムシャツもやや袖が長いんです。

ただ、妻から『まくっちゃえばいいじゃん』とアドバイスしてもらいました。そうすると、ちょっとこなれた感じに見えて、なるほどと思いましたよね。意外とデカくてもいけるんだなって」。



極め付けがアウター。こちらは1930年代のヴィンテージだ。背面の腰ポケットのあたりにうっすらと入ったシミは、実際、ハンティング時に捕まえたウサギや野鳥の血だという。



「僕がよく行く古着店に妻がたまたまついてきたとき、『これ欲しい!』って言い出したんです。聞けば、最近、ハイブランドがこのようなワークウェアをサンプリングしてアウターを作っているのだとか。彼女がいうのであれば間違いないかなと購入し、今ではシェアしています。しかも、デニムとも相性はいいですしね」

そうして服を買っていく中、あるアイデアが自身のアイテム選びの確固たる指針になっていった。



「トレンドだからとか、その時の気分でなんの気なしに買った物って一年経ったらすぐに手放してしまう。それがどうも自分の中で引っかかっていたんです。できることなら長く付き合っていくのがベスト。と、なると、思い出とセットで買った方がいいですよね」

記念日や思い出にリーバイスのジーンズを買う。そのアイデアは大いにありだ。穿くたびに当時の記憶が蘇り、いっそう愛着も増していく。それもこれも、長く付き合えるものゆえ。皆さんも今後の買い物の参考にしてみてはいかがだろうか。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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