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藤原ヒロシ氏のおかげ!? 既成概念を破った505ビッグE


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その後、20代を目前にして上京しビームスで働くことに。以降、同社での経験は、ファッション業界で仕事をしていくうえで大きな財産になったという。

「ビームスってデザイナーズものと古着をミックスするカルチャーがすごく早かった。セレクトショップのスタッフと、ブランドショップのスタッフって何が違うのって言われたら、やっぱりミックスして何をどう外すかっていうところを常に考えているところだと思うんです。そういう意味ではとても濃厚な時間を過ごせたと思います」。

ビームスではアメリカンカジュアルのイロハから最新までを叩き込まれた。そんなタイミングに購入したのが505のビッグEである。
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「USA製で購入したのは21歳ぐらいの頃。実はこれ、フルレングスだったんですよ。今はカットオフしたことを死ぬほど後悔してます(笑)。ビームス在籍時、先輩によくコーディネートについて指導してもらっていて、ある日指摘を受けて急いでベルベルジンにこのジーンズを買いに行ったんです。良いヴィンテージは多くの先輩方も認めるところでしたから。しかもこれ、1万5000円なんです」。



当時はリーバイス=501といった考えが一般的で、購入当初は先輩からたしなめられたという。しかし、ある人物のおかげで風向きが変わる。

「リーバイスのジーンズには昔、今では考えられない常識みたいなものがありましたよね。そんな中、ショップのみんなと着こなしのテイストが被っては埋もれてしまうのでいろいろ考えていました。それであるとき、酔っ払って家に帰り、突如、勢いでカットオフしたんです。だから切り口部分が汚い。もう若気の至りって感じですね(苦笑)」。



「案の定、翌日出社したら先輩方に『現行品でやれ』と怒られました。ただ、藤原ヒロシさんがどうやら505を穿いているらしいという情報が出回り、いつのまにか505は正義になったんです。面識はないんですが、藤原ヒロシさんに遠巻きに救われました(笑)」。
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