OCEANS

SHARE

名店④ 通期メニューに昇格した冷し坦々麺が推し「高崎 はた山」


advertisement

このコラムの締めを飾るのは、「高崎 はた山」。オープンは、2012年9月。ロケーションは、高崎駅から徒歩5分程度。店主・畑山氏は、京都の実力店「担担 四条本店」で2年間腕を磨き、必要なノウハウを遍く会得した。

私も、「はた山」には何度も訪れたことがあるが、修業元の「担担麺」のエッセンスを採り入れながらも独自の洗練が施された1杯は、いつ戴いても満足度が高く、飽きることがない。開業から10余年にわたり、質を落とさず極上の食味を維持し続ける。職人としての矜持に、頭が下がる思いだ。

群馬の担々麺と言えば、「はた山」タイプの担々麺を思い浮かべるラーメン好きも多いと思うが、これも、ひとえに畑山氏の尽力のたまものだと言えるだろう。
advertisement



さて、同店で特筆すべきは、「担担麺」のみならず、その冷やしバージョンである「冷し担担麺」も通年で提供されていること。以前は5月から10月までの期間限定提供だったが、あまりの人気の高さに通年メニューへと昇格したものだ。

通常の「担担麺」も、もちろんハイレベルだが、折角なので、ここは季節を問うことなく、肌身で「涼」が体感できる「冷し担担麺」を召し上がっていただきたい。



冷たく締めたスープは、冷却することで香りの輪郭が鋭く立ち、ゴマの濃密な甘みとラー油の「辣」の辛みが、舌上で絶え間なく交錯。寸分の時を経て、ゴマの甘みは艶やかな余韻と化し、身体中の細胞へと沁みわたる。

トッピングの挽き肉から溢れ出すジューシーな肉汁や、小気味良い食感を演出する刻みネギも、味わいに躍動感を付与。食感と香味の旋律を巧みに同居させることで、刹那の「涼」と持続する満足感を両立させることに見事に成功している。

高崎駅からほど近い場所に「はた山」のような優良店が根を下ろす。そのことにラーメン好きは改めて感謝しなければならないだろう。
高崎 はた山
住所:高崎市東町158-20
営業:11:00~L.O.14:00/18:00~L.O.20:30(土曜日は昼営業のみ)
定休:日曜日、祝日(不定休)

※メニューの価格は訪問時のものになります。

田中一明=写真・文 池田裕美=編集

SHARE

advertisement

次の記事を読み込んでいます。