
白と黒。たったそれだけの色でも、配分次第で印象はガラリと変わる。
ただし、全身黒で固めるか、白で抜けを作るか、正解はひとつじゃない。今回は、街に立つ洒落者たちの装いから、リアルな“グレーゾーンの妙”をひも解いてみよう。
【写真11点】「モノトーンコーデの配分はどれが正解?」の詳細を写真でチェック① 白9:黒1。軽やかさを纏う“クリーン・モノトーン”
シャツ、ベルト=ともにノーブランド カットソー=アーバンリサーチドアーズ パンツ=コス シューズ=オニツカタイガー 眼鏡=モスコット バッグ=ザッツ ネックレス=ジーユー バングル=プラダ リング=ザレタリング
▶ヨウスケさんのスナップをすべて見るヨウスケさん(45歳)全身をオフホワイトでまとめつつ、質感で奥行きを出した上級コーデ。リラックスシャツとタックパンツで空気をはらみ、黒のサンダルと眼鏡でキリッと締める。
抜け感と清潔感、その両立こそがモノトーンの醍醐味だ。白を主役にした“抜けのある男らしさ”がここにある。
② 白6:黒4。程よいラフさで魅せる都会の抜け感
シャツ=マービンポンティアック シャツ/メーカーズ Tシャツ=ノーブランド パンツ=エイトン シューズ=アディダスオリジナルス×ソングフォーザミュート
▶中島さんのスナップをすべて見る中島 良さん(44歳)マービンポンティアックのストライプシャツを羽織り、白T×黒カーゴパンツで仕上げた定番配色。シルエットのゆるさと足元のボリュームスニーカーが絶妙に噛み合う。
雨上がりの歩道に映える清潔感と土臭さのバランス。白と黒を“日常のテンション”で着こなした好サンプル、今季の休日コーデとして覚えておきたい。

③ 黒7:白3。余白で魅せるミニマル・ストリート
カーディガン=バトナー Tシャツ=コンビニエンスウェア×トリップスター パンツ=プロップスストア シューズ=コンバース 眼鏡=ジュリアスタートオプティカル 腕時計=シチズン ネックレス=クロムハーツ ネックレス2=ステューシー ブレスレット=ティファニー リング=トムウッド
▶ユウタさんのスナップをすべて見るユウタさん(27歳)黒のカーディガンとワイドパンツを軸にした上品カジュアルスタイル。黒を基調にしても重くならない理由は、白の分量にあり。
白Tをレイヤーで覗かせることで、軽やかさはもちろん、すらりと演出した縦感でスタイルアップにも貢献。コンバースのオールスターが放つ“カジュアルな抜け”も好バランスだ。

④ 黒8:白2。ボリュームと艶で見せる大人の均整
ジャケット、靴下=ともにコンビニエンスウェア Tシャツ、パンツ、バッグ=すべてユニクロ シューズ=ナイキ 眼鏡=ノーブランド リング=ジャンポールゴルチエ
▶花見さんのスナップをすべて見る花見勝一郎さん(57歳)ジャスト丈のブルゾンにバギーパンツ、そして黒スニーカー。艶のあるナイロンとマットなコットンの質感差で立体感を演出し、シルエットでメリハリをつけた。
無造作にレイヤードしたユニクロの白Tも、コーデにリズムを生むポイント。ストリートの匂いを纏いつつも、纏う空気はスマートだ。

⑤ 黒10:白0。潔さで魅せる“フル・ブラック”
ジャケット=コンフィ シャツ=ジーユー カットソー=キャプテンサンシャイン パンツ=オールズ シューズ=サロモン 眼鏡=サンバディーズ ブレスレット=不明
▶清水さんのスナップをすべて見る清水大悟さん(43歳)街中でさりげなく存在感を放つ、オールブラックの洗練スタイル。ライトな素材感が心地よいコンフィのコーチジャケットに、黒シャツ&黒Tをレイヤード。
程良くゆったりしたオールズのパンツがバランスを整え、足元には機能美が光るサロモンをセレクトした。シンプルながら計算された、一着一着が光るコーディネイトだ。
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白を多めにすれば軽やかに、黒を増やせば芯のある印象に。どちらも正解で、どちらも自由。
モノトーンとは、実は“引き算のデザイン”。足すのではなく、削ることで際立つ美学だ。この秋、あなたのワードローブにもその静かな余白を加えてみては。