すばるさんがハマるフィルムカメラの魅力
――フィルムカメラを複数台お持ちで、現像からプリントまで自分で手掛けていると伺いました。始めたきっかけは?すばる コロナ禍での撮影で「普段の写真を撮ってきてください」って言われたんです。元々は旅行に行っても一枚も写真を撮らないタイプ。だから「何を記録に残すねん」って(笑)。普段はスマホのカメラですらほぼ使わなかったんで。
でも必然的に撮る理由ができて、街を見渡すようになったら……落ちてるサンダルとか、ヤレた看板とか、今まで気にならなかったものが急に面白く見えてきて。「写真っておもろい」となったんです。

すばる どうせならアナログでやりたいなと思って、最初に買ったのが機械式のフルマニュアル。何もわからずに撮って、現像したら1枚しか写ってなかった(笑)。それでも現像を待つ間のドキドキ感がたまらんくて。気づけば自分で現像して、スキャンして、全部やるようになって。ネガが山ほどあります。
暗室も手軽に作れるんですよ。袋みたいなボックスの中に手を突っ込んで、手探りでやるやつ。もちろん失敗もあるし、ダメになったフィルムもある。でもそれすら楽しかった。
時間がある時期だからこそ、ゆっくり試せて、失敗も全部楽しめた。誰かに見せるためじゃなくて、自分が面白いなって思うものを追いかける。それが、今も一番大切な時間になりました。
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