耐久性に優れる素材が最もサステナブル

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サステナブル推進の責任者であるから、「どの素材が最もサステナブルなのか?」という質問をよく受ける。そのたびにマリーさんは「耐久性のあるもの」だと答えてきた。
「たとえば新たに高価なテントを購入したとします。ひと晩だけしか使用しなければ環境への負荷は高いままですが、何年にもわたって愛用すれば、使用回数に応じて分散できるため、1回あたりの負荷は下がっていきます。
つまり使用期間が長ければ長いほど環境負荷を低減できるといえ、耐久性はサステナブルにとても重要なのです」。
厳しいテストと品質管理の結果、耐久年数にわたり防水性が保証された「ゴアテックス」のプロダクトが生まれる。そして長く機能性を保ちつつ着続けるうえで必須なのが、こまめな洗濯。皮脂汚れが付着したまま使用を続けると撥水性の低下につながり、ウェアの透湿性にも悪影響が出てしまうためだ。© The Polar Initiative-John Weller
アウトドア好きの人たちには「長く愛用できる製品を買う」という姿勢を大切にしてほしいという。環境負荷を低く抑えられ、持続可能性も備わるためだ。
「いらないものをたくさん買うのではなくて、本当に必要で、長く使えそうなものを少し買う。そのあとは丁寧にメンテナンスしていく。これからは、そういう消費の仕方、使い方にシフトしていく人が増えることに期待しています。
何より、私たちが携わるアウトドア業界には、すべてのブランドに自然への愛情を抱く人たちがいます。ビジネス上はライバルであったとしても、サステナブルに関しては良きパートナーとなって、ユーザーの意識をより良い方向へ導いていけるといいですよね」。
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