「戦う日々」から「笑う日々」へ。浅倉カンナの引退後

――現役を引退して約1年。生活の変化は大きかったですか?カンナ 本っ当に……全っ然違います!(笑)すごく穏やかで、メンタルも安定してる実感があります。現役のときはずっと気が張ってて、なんとなく“戦闘モード”というか、ピリッとしてましたね。前は「今日も練習かぁ……ちょっと行きたくないな」って気持ちで家を出てたんですけど、今は「頑張るぞ!」ってワクワクしながらカフェに向かってます。
毎日リラックスして、気持ちよく過ごせてるのがうれしいです。

――ホーリーシットのカフェで働くようになったきっかけは?カンナ このカフェのプロデューサーさんが、『KAMINOGE』っていう格闘技雑誌の編集長をされてて、昔からご縁があった方なんです。
ずっと柏に住んでたんですけど、今年の春に引っ越してきたタイミングで、ご飯に誘っていただいて。そのときに「バイトさせてください!」ってお願いしたら、「おう、面白いじゃん!」って即OKで(笑)。
ちょうど格闘技を引退したあとだったんで、なにか新しいこと始めたくて。そこからすぐ働き始めて、もう半年くらいになります。
――実際に働いてみてどうでしたか?カンナ めちゃくちゃ楽しいです! 最初の頃はファンの方もたくさん来てくださって、すごく近い距離でお話できました。それが新鮮で面白かったですね。最近は少し落ち着いてきましたけど、雰囲気も良くて、毎日楽しんでいます。
――今はもう1人で店頭に立たれているとか……?カンナ 今は完全に1人でお店に立ってます! オーブンの開け閉めも、コーヒー豆の準備も、ぜんぶ自分でやってます。高校生のときにも飲食のバイトはしてたんですが、やっぱり大人になってからの働くって全然感覚が違いますね。しっかりカフェの店員として、責任感を持ってやってます!
――楽しめていて良いですね! その秘訣はあります?カンナ う〜ん、なんでしょうね。やっぱり穏やかな空間っていうのもあると思いますけど、昔から普通の生活にすごく憧れてたんですよ。学生のときも。みんながバイトをしたり遊びに行ったりしてるなかで、私は練習に行かなきゃいけなかったので。
だから「いいなあ……」って思いながらずっと過ごしてました。今はその普通の生活がすごく楽しくて。格闘家じゃない日常を満喫しています。
――得意なメニューってあります?カンナ なんでも作れますよ、もう。この半年で全部覚えました。特にコーヒーがメインなんですけど、もうバッチリです。最初は全部難しかったです。ちゃんとしたエスプレッソマシンを使うので、「これは難しそうだな」と。
だけどメモ帳を買って、教えられたことは紙に書いて、覚えるまで何度も練習して覚えました。昔のバイトのときもそうやって覚えてたなって。続けていれば自然と覚えられるものですね。格闘技と同じで、繰り返せばちゃんと身につくんです。
3/4