【特別セッション】業界連携で描く持続可能なファッションの未来

特別セッション「BLUE LIFESTYLE SESSION」では、「ブランド・商社・メーカーが描く、持続可能なファッションの未来」をテーマに、アパレルを支える三業種の代表が集い、連携のビジョンを語り合った。

繊維分野から登壇したのは、植物由来の環境配慮素材「PlaX」を手がけるBioworks代表の三輪和貴さん。2015年創業の同社は、サトウキビなどを原料にしたポリ乳酸に独自の添加剤を組み合わせ、強度や機能を高めた繊維素材「PlaX」を開発。分解性があり環境負荷が小さいとして注目を集めている。
三輪さんは「この50年で繊維生産量は約5倍になり、分解されにくい合成繊維の増加で業界が『環境に悪い』と見られるようになってしまった」と現状を指摘した。

150年の歴史を誇る繊維商社、瀧定名古屋の河内明彦さんもPlaXに期待を寄せる。「化学繊維を本当に置き換えられる素材はこれまで出てこなかった。でもPlaXは違う」。実際に自らPlaX製のパジャマを愛用し、「1週間洗わなくても匂わないほど機能性が高い」と体感ベースで語るその熱量は、本物を知る業界人ならでは。

アパレル企業マッシュスタイルラボの岩木久剛さんは、同社が掲げる「WELLNESS DESIGN」や商品タグへのCO2排出量表示など、先進的な取り組みを紹介。
「環境への取り組みに対しては、特にZ世代からのリアクションがいい。SDGs教育を受けてきた世代は、環境負荷への意識が非常に高く、服を選ぶ際にも自然と反映されている印象」と消費現場のリアルな変化を報告した。

三者が導き出した結論はシンプル。「環境対策」と「服を着る喜び・自由」の両立がこれからのファッションに求められる、ということである。OCEANS世代にとっても他人事ではない。好きな服を楽しみつつ、未来の環境を守る。新素材「PlaX」は、その両立を叶える“次の定番”になる可能性を秘めている。
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登壇した6社は異なるアプローチを取る一方で、「消費者参加」「楽しみながらのアプローチ」「日常生活への落とし込み」という共通の価値観を持っていた。2050年の美しい海を実現するには、こうした多様な手法が有機的につながり、一人ひとりの日常に根づく行動変容を促すことが必要だ。