ファッションから変える海洋プラスチック問題

3番目にプレゼンを行った三陽商会の下川雅敏さんは、ファッション業界が抱える深刻な環境問題を明らかにしたのち、同社が取り扱うスペイン発のサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」の取り組みを紹介した。
「実はファッション業界は、あらゆる産業のなかで2番目に環境を汚染している言われているんです。世界で年間1000億枚以上の服が生産される一方で、73%がその年のうちに廃棄されるのが現状です。1着のTシャツの製造には2700リットルもの水が必要で、服の平均着用回数はわずか7回という衝撃的なデータもあります」。

そうしたアパレル業界の環境への悪影響に歯止めをかけようと独自の取り組みを始めたのが、創業者のハビエル・ゴジェネーチェさんだ。
息子の誕生をきっかけに、次世代に残すべき世界について考えを巡らせたハビエルさんは、2009年、真にサステナブルなファッションブランドを作ることを決意してECOALFを立ち上げた。同社では漁業の網に入るプラスチック製品の海洋ごみを回収し、それを資源としたファッションアイテムを製造している。
「ファッションを真に持続可能なビジネスとするためには、環境負荷をできる限り下げるとともに、製品自体の魅力を損なわないことが重要です。それと同時に、消費者の方々に、サステナブルな商品を意識的に選んでもらうことも大切になります」と下川さんは力を込める。

プレゼン後には、OCEANS統括編集長・原 亮太を進行役に、3者のトークセッションを実施。座談会では、岩元さんがアドバイザーを務める企業が作っている「みらいのねんど」が紹介された。みらいのねんどは、廃棄食品を主原料にしてできた環境にやさしい粘土で、土の中で分解されるのが特徴。遊び終えた後に、畑や庭に置くことで微生物の栄養となり、子どもたちに粘土遊びを楽しみながら環境やリサイクルの知識を体感してもらえる。
岩元さんの紹介を受けた下川さんは「店舗での子どもたちを招いたワークショップやイベントに活用できそうですね」と返答。森谷さんも「そうした取り組みのPRをぜひ協力したいと」と述べ、業界の垣根を越えたコラボレーションの可能性についても話が及んだ。
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