ケースの単一素材化でリサイクル率1%未満の業界に一石を投じる
さらに先ごろライノシールドは、他に類を見ないコンセプトを生み出した。それがスマホケースの単一素材化。目的は、リサイクル効率を圧倒的に高めるためだ。
単一素材によるミニマルデザインはスマホケース業界に衝撃をもたらした。
一般的に、業界内では保護性能を高めるために異素材を組み合わせた複合素材が使われている。デザイン性に富み、カラーリングもシンプルなトーンからビビッドなものまで幅広く作れ、価格はリーズナブルに。要は、収益性の高さにつなげるためである。
だが、そのぶん複合した素材を分離させなければならないなど、リサイクルへのハードルは高くなる。その困難さもあって、スマホケースのリサイクル率は1%未満が実情。1年で生産・消費される100億個のうち相当な個数が廃棄処分されているのである。この点に、エリックさん率いるライノシールドは強い違和感を覚えた。
従来の複合素材によるケースは最終的に埋め立て地などで廃棄処分に。しかしライノシールドの使用済みケースはリサイクルされ、新しいケースに生まれ変わる。
健康や環境への悪影響に配慮し、化学物質のBPAや有機フッ素化合物のPFASなどからもフリーな素材を使用。
現況に対してエリックさんは「政府による規制など、社会的なルールがないことが要因」だと話す。規制がないから、作りたいものを作る。より格好良くするために、複合素材を駆使して理想のケースを作りあげる。それはビジネスとしてごく自然なあり方といえるが、時代に則しているとはいいがたい。
続けて、「私たちにはポリシーがあります」とエリックさんはいう。
「スマホケース業界のリサイクル率は1%未満」だとエリックさんがいうと、プレゼンテーション会場には驚きの声があがった。
「多くの人が忘れがちなものに環境コストがあります。これは企業だけでなく、一般の人たちも負担するコストです。例えば、企業の経済活動の結果、適切に処理されなかったプラスチックごみが河川や海へ流れ、自然環境に影響を与えるプラスチック汚染も環境コストの代表例です。私たちは環境コストへの意識をもっと強く持つべきで、リサイクル率1%未満という状況を改善すべく対策を講じるべきだと思うのです」
台湾では郵送や店頭のボックスで使用済みケースを回収するリサイクルプログラムを展開中。
規制がなく、各々の企業が自身のポリシーのもと事業を行うなか、ライノシールドは環境負荷への責任感から、見た目がシンプルとなる単一素材の製品作りを決めたのだ。
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