マキマという“タチの悪い正義”

チェンソーマンの世界には「人間」「魔人」「悪魔」がいて、デンジのように魔人でも悪魔でもない存在もいます。
正直いって、ルールがややこしいです。わからなくなったらちょっと前に戻りながら読むのがいい。あまり逆らわず、「そういうものなんだな」って思って読んでいったほうが入り込めると思います。
で、悪魔には「刀の悪魔」「銃の悪魔」「闇の悪魔」とかがいて、人間が恐怖の対象にしている悪魔ほど強いっていう設定なんですよね。デンジが惚れたマキマは「支配の悪魔」。……こいつがマジで一番悪い!

最初はヒロインに見えるんです。みんな惚れてましたよね。だからこそ支配の悪魔なんだけど。「そんなの好きになるに決まってんじゃん!」っていう迫り方をして、デンジもマキマのことが一発で好きになっちゃう。
だけど、マキマは理由があってデンジに近づいてるんですよ。チェンソーマンには食べた悪魔を“概念ごと消滅させる能力”があるから。

マキマは「戦争」「飢餓」「死」みたいな存在をなくしたいって考えてるんだけど、他にも自分が気に入らないものを消していくわけで、それが人類にとって必ずしも良いこととは限らない。
マキマの描く理想は「最悪の平和」とも言われていて、だからこそ世界中の政府がマキマの命を狙っているんです。自分の正義がちゃんとあるやつほどタチが悪いじゃないですか。
マジでマキマは厄介ですよ。やることがエグくてラスボス級。真っ向から戦わないで、絵を描いてゆっくりゆっくり実行に移していく。デンジのこともそうやってめちゃくちゃ不幸にさせていくじゃないですか。恐ろしいですよ。

最終的に「デンジ vs マキマ」っていうでっかい山場を迎えますが、デンジも「嘘でしょ?」ってくらい衝撃的なことをマキマにやる。でも、デンジはそれが愛だっていう。濃すぎる、濃すぎる、濃すぎるんですよ……話が。
チェンソーマンはバトル漫画ではないんじゃないですかね。意外と複雑で、深く考えさせられると思います。
チェンソーマンvsレゼの戦い

ちなみに、僕が個人的にすごく好きなのはパワーちゃんです。見た目はかわいいけど、中身はめちゃめちゃ魔人。結構簡単に人を裏切る、あのめちゃくちゃさがすごくいい。彼女がいることでデンジの良さが出たとも思ってます。
あと、東山コベニの危ない感じも大好きですね。あいつはヤバすぎる(笑)。一番ヤバいやつだと思います。

それから、レゼですね。ここも山場です。まぁ、めちゃめちゃかわいいですよね。好きになっちゃいますよ。夜の学校のプールでデンジとレゼが素っ裸で泳いで遊ぶ。そんな炎上系ユーチューバーみたいなことやるんだ!?っていうシーンもありますね。
恋愛漫画なら感動的なシーンでしょうけど、チェンソーマンの場合は違います。打ち上げ花火をバックに、デンジはレゼに突然キスされるんだけど、この直後……舌を噛み切られますから。
さらにナイフで喉を切られ、手首も切り落とされます。「痛いね?ごめんね」「デンジ君の心臓を貰うね?」って。

実は、レゼの正体は爆弾の悪魔みたいなやつと融合した武器人間で、ここまでに出てきた悪魔のなかでも相当強いし、暴れっぷりがマジで半端じゃない。
映画で描かれる「チェンソーマンvsレゼ」はきっと超面白いでしょうね。
4/4