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――リリックはどんなふうに書かれるんですか?

ラップの場合は、韻に引っ張られてバーッと出てくることが多いです。16小節くらいなら割とスラスラ書けるタイプですね。ただ、曲のテーマが決まっていたり、タイアップだったりすると少し時間がかかります。

でも逆に何も制約がないと、飽きちゃうこともある。完全に自由すぎると迷う瞬間もあるし。むしろ「こういう方向で」っていうリファレンスがあったほうがやりやすいですね。
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歌詞は日常の会話から浮かぶことが多いかな。友達やチームとの何気ないやりとりの中で、自然にフレーズが出てくるんですよ。

最近リリースしたリップスライムの『どON』もそう。仲間に『最近サーフィンしてる?』って聞かれて、やってないのに「やってるよ、“どON中のどON”だよ!」って冗談で返したのがきっかけでした(笑)。

『Wacha Wacha』も雑談から生まれましたし、『結果論』なんて曲もあります。結果論って言葉、間違った使われ方すること多いじゃないですか。「それ、使い方違うんじゃない?」って思うような引っかかりこそ曲の種になることもある。飲み会や雑談の中で出た言葉をこっそりメモするのが自分の習慣ですね。

――映画作品などからインスピレーションを受けることはありますか?

観ますけど、特に舞台が好きですね。小劇場で30人規模の公演から、本多劇場のような中規模、宝塚のような大規模なものまで、ジャンルを問わず観に行きます。観客との距離が近い舞台もあれば、何千人規模の圧倒的なステージもあって、それぞれに違った魅力がある。人のパフォーマンスから刺激を受けることは本当に多いです。

©︎RHYTHM AND RIDE

©︎RHYTHM AND RIDE


――最後に、今後の展望や意気込みを教えてください。

これからは、もっとミュージシャンとして活動していきたい。若手ではない今だからこそ、音楽の輪の中にラッパーが自然にいるシーンを作りたいですね。

ラッパーって楽器ができないことにコンプレックスを持つ人も多い。でも、最近はBIMくん(CreativeDrugStore)がギターを弾いたり、音楽的なアプローチをする若い子も出てきていて、その流れはすごく面白い。もっと自由に、ジャンルも世代も超えて混ざり合えば、新しい化学反応が生まれるはず。



自分もその一部になりたいし、きっかけを作る存在になれたらいいなと思っています。ラップという枠に留まらず、「音楽全体にどう貢献できるか」。それが、今の自分の大きなテーマです。
PES
2001年、シングル「STEPPER'S DELIGHT」でメジャーデビュー。RIP SLYMEは日本のヒップホップグループとして初の日本武道館単独公演、海外公演、野外5万人ライブなど、数々の記録を打ち立ててきた。PESは「One」「Hot Chocolate」「Tales」「SCAR」といった代表曲のソングライティングを手掛けるほか、SMAPやJUJUをはじめとするアーティストへの楽曲提供・作詞も担当。音楽活動にとどまらず、デザイン分野へのアプローチなど多方面で表現を広げている。2025年にはRIP SLYMEが期間限定で活動を再開。世代を超えて響く名曲群とともに、“ラッパーからミュージシャンへ”という歩みを進めるPESは、自由で遊び心溢れる表現を追求し続けている。

長田 慶=写真 RHYTHM AND RIDE公式=ライブ写真 池田鉄平=取材・文

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