「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは……この夏、イタリアに里帰りしてきたマッシさん。帰国して改めて感じた“ピッツァあるある”を振り返りつつ、大好きなあのチェーン店のピッツァを語る。
【写真11点】「イタリア人マッシが推すガストのピッツァ」の詳細を写真でチェック 案内人はこの方!
マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いと面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。
ひとり一枚が基本のイタリアのピッツァ
イタリアに里帰りしたら食べたいもののナンバーワンは、あの具がたっぷり乗っている熱々のピッツァだ。
イタリア現地にしかない具だけではなく、その大きさとメニューの豊富さ、ピッツァの空間から始まる会話は人生でいちばん幸せな瞬間になる。お皿よりデカくて、どう食べればいいのか、食べ切れるのかと呟きながらピッツァに集中して完食してしまう魔法のようだ。
イタリア現地で食べたピッツァ
ピッツァの不思議なところは世界中どの食文化にも口に合って、そこからいろんなアレンジも生まれること。日本では照り焼きピッツァやとうもろこしマヨなど、イタリア人にとっては考えられないバリエーションもある。
日本で食べられるピッツァはアートのようで、一枚一枚丁寧に作り上げる。イタリアでは国民食としてアートのような感覚ではなく、ご褒美でもなく、毎日支えてくれる友人のような感覚で気楽に食べられるもの。
ピッツァ屋さんのほかにパン屋さんやスーパー、バールなどにもいろんな形と作り方のピッツァがある。ピッツァパン、四角のピッツァ、とんでもない量の具が乗っているピッツァ、細長いピッツァパンなどの存在に囲まれると、「イタリアはピッツァ天国だな」と改めて再発見してうれしくなる。

ここで、イタリアに行かれた方も知らない現実がある。「絶対にしない」と言い切れないけど、実はイタリア人はシェアをあまりしない。食べたいピッツァを頼んで最初から最後まで食べ切る習慣が強い。
もし最後に食べきれなかったら「(残りを)食べる?」と聞かれることがあっても、シェアではない。捨てるのが勿体無いから無駄にならないように皆に「分ける」ではなく、「あげる」のだ。
これはどんなルールブックにも書かれていない。でも、僕からすると、最終的には自由に食べて幸せになればそれだけだ。その証拠に、日本に来てからは僕もよく友達とピッツァをシェアする。
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