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マイベスト③ 中華そばの店 みのひの「冷やし油そば」


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最後にご紹介するのは、「中華そばの店 みのひ」。同店は、2024年9月14日の「巳の日(みのひ)」に、志村坂上駅(都営三田線)から徒歩約2分という好立地にオープン。

提供するレギュラー麺メニューは、「ラーメン」と「つけ麺」の2種類。いずれも、自身が大のラーメンマニアである店主が愛してやまない、早稲田の「としおか」、蕨の「永太」、目白の「丸長」等の名店の味をベースに、「みのひ」ならではのオリジナリティを施したものだ。


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いずれも、昨年開業したばかりの新店とは思えないほどの完成度を誇り、現在もなお味わいに磨きが掛けられ続けているところであるが、今回の企画は「冷やしラーメン」特集なので、これらの紹介はまたの機会に譲りたい。

というわけで、今回はそんな「みのひ」が総力を結集して開発した「冷やし油そば」を採り上げたい。この一品が食べられるのは、平日夜の部と日曜のみ。創業者自らが厨房に立つこの時間帯に訪れた者のみが味わえる、この上なく貴重な1杯だ。
 


さて、この「冷やし油そば」。丼一面に冷水で締めた自家製麺が悠々と泳ぎ、その麺の下に、芳醇な味噌ダレ、生姜、モヤシを忍ばせたもの。好みに応じて、「ラー油」か「ニンニク油」のいずれかをチョイスすることができる。



したがって、提供された丼から顔を覗かせるのは、なみなみと盛り付けられた自家製麺のみ。食べ手が力強く麺を混ぜ続けることで、味噌ダレ、ブロックチャーシュー等の面々が姿を現す、「としおか」、「永太」スタイルの構成だ。

よく混ぜて一気に麺をすすり上げれば、麺肌に張り付いた味噌ダレの深いコクと味わいが味覚中枢のド真ん中を貫き、瞬時に食べ手を快楽の頂点へと誘う。鯖の風味の利かせ方、活かし方も秀逸で、すするたびに抗しがたい快感がこみ上げ、全身から鳥肌が立つ。

香気艶やかなブロックチャーシューも、丼全体の味わいを底上げする役割を全う。涼気も相まって冴えわたる魚介香。「暑さが続く限り、ぜひこの商品の提供を続けてほしい」と、思わず店主に懇願してしまった。それほど卓越した1杯だ。
中華そばの店 みのひ」
住所:東京都板橋区志村2-1-4
営業:10:00〜15:00/17:00〜20:00、土日10:00〜15:00、祝日10:00〜20:00
定休:なし
X:@minohi199537

田中一明=写真・文 池田裕美=編集

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