OCEANS

SHARE

advertisement
  1. トップ
  2. たべる
  3. 年400食のグルメ審査員が選ぶ「絶品冷やし麺」3選。昭和レトロな冷やし中華、山形の冷やしラーメンetc.

2025.08.09

たべる

年400食のグルメ審査員が選ぶ「絶品冷やし麺」3選。昭和レトロな冷やし中華、山形の冷やしラーメンetc.


advertisement

連載「トッププロが数珠つなぎ!『俺たちレーメン's』」とは……

ラーメン界のスペシャリストたちに絶品「冷やし麺」を紹介してもらう本企画。3回目となる今回は、グルメサイトの審査員も務める広瀬 充さんが、3軒の激ウマ店をピックアップ!

【写真13点】「審査員が選ぶ山形『冷やしラーメン』に昭和冷やし中華」の詳細を写真で見る
案内人はこの方!
広瀬 充●投稿グルメサイト「SARAH」MENU AWARD〜関東地区ラーメン・つけ麺部門審査員。年間150杯ほど食べる普通のラーメン好きでしかなかった男が、10年前「ラーメン官僚」こと田中一明氏と仕事で出会い、その食杯数に衝撃を受け覚醒。以降、ラオタ道を疾走中。本人曰く「でも年間400杯ほどに抑えてます。だってもう62歳ですし(笑)」とのこと。

広瀬 充●投稿グルメサイト「SARAH」MENU AWARD〜関東地区ラーメン・つけ麺部門審査員。年間150杯ほど食べる普通のラーメン好きでしかなかった男が、10年前「ラーメン官僚」こと田中一明氏と仕事で出会い、その食杯数に衝撃を受け覚醒。以降、ラオタ道を疾走中。本人曰く「でも年間400杯ほどに抑えてます。だってもう62歳ですし(笑)」とのこと。

こんにちは、広瀬です。地方での食べ歩きが大好きなので、格安な鉄道きっぷ、航空券などを駆使しながら頻繁に旅に出て、地方で概ね年間100杯のラーメンを食しています。なかでも東北地方が好きで、「冷やしラーメン」というワードから、どうしても連想してしまう事柄があるのです……。
advertisement

広義的に“冷やしラーメンとは冷たいラーメン全般”のことと定義できますが、実は直接、山形県のご当地ラーメンのひとつを指す言葉でもあります。

2024年まで3年連続「ラーメン消費金額1位」となったラーメン大国・山形市(2位は新潟市)は、夏の気温が非常に高く、この時季になると理髪店にはキンキンに冷たい“冷やしシャンプー”が登場します。独自の冷やし文化が発達した町で、氷の浮いた「冷やしラーメン」もまた夏の定番といえるでしょう。

今回の記事では、山形県出身の店主が都内の店で提供する一杯、山形の「冷やしラーメン」をリスペクトしたであろう一杯、そして、夏といったら忘れちゃならない冷たい麺の定番、「甘酸っぱい冷やし中華」、それも東京の昭和感バキバキな一杯を紹介します!

マイベスト① 麺ダイニング ととこの「つったいラーメン」



夏季限定メニューとしてではなく、一年を通して「つったい(冷たい)ラーメン」(1000円)を食べられるのが、こちら「ととこ」さん。2012年、千代田区神保町にオープンした店を元気に切り盛りするのは、山形県出身の女性店主。

暖簾をくぐると、カウンター席のみの店内では常連客と店主が軽く会話中。程良く山形なまりが聞き取れて、なんとも心地いい雰囲気を生み出しています。自動券売機はなく口頭注文、あと払い制になります。



“なまり”といえば「つったいラーメン」の「つったい」は山形の方言で「冷たい」のこと。さらに店名の「ととこ」は「にわとり」のこと。文字どおり、スープの出汁は鶏ガラから旨味を抽出、具には炙られた鶏肉が鎮座しています。

「つったいラーメン」に使用される食材は麺も含めて無添加で、旨味調味料も不使用だそう。身体に優しく、健康に配慮した一杯でもありますね。となると、想像されるのは極めて淡く、あっさり系なスープ。確かに油っ気はあまり感じられません。



ところが、ひと口すすると醤油ダレの存在感が非常に重厚。「えっこの醤油、何?」と驚くほど“ガツン!”ときます。

東京で生活する者にとって日常的に口にする醤油ではなく、“from山形”な醤油なので、最初は不慣れな味に戸惑いました。が、ここからがマジック。茹でた麺の温もりが残っていた丼内は、時間経過とともに5個の立方体状の氷が少しずつ溶け、醤油テイストを薄め、スープ全体の味バランスを変えていくのです。つまり、どんどんまろやかになる。綿密な計算を感じますね。

数秒ごとに味が“移ろっていく”という、何とも風流なギミックが「つったいラーメン」最大の特徴。「氷がどのくらい溶けたタイミングの旨さが最適解か?」と、探しながら食べるのも悪くないでしょう。



麺は硬からず柔らかすぎず、食べ手を選ばない食感の細麺。具にはきゅうりをはじめ夏っぽいものが並びます。特徴的なのはふた切れの鶏肉。山形で飼育されている鶏で、無添加のエサで育てているそう。

「とにかく無添加にこだわっています」。

会計時、店主がおっしゃった言葉には、お客さんへの心配りと料理人としてのプライドが感じ取れました。店内の壁面には山形県産の旨そうな地酒が多数並んでいます。酒の肴に相応しいメニューも多く、ラーメン以外の楽しみも豊富な店。今度は夜に行きたいなぁ。

麺ダイニング ととこ
住所:東京都千代田区神田小川町3−10−9
営業:11:00〜22:30(22:00 L.O.) 日曜は〜15:00 L.O.
定休:なし
https://totoco.net
2/3

次の記事を読み込んでいます。