マイベスト② 肉めん 肉めし すず気の「冷やし肉めん」

「肉めん 肉めし すず気」は地下の飲食街「味の散歩道」の一角にある。
お次はJR三鷹駅から徒歩数分、中央通りに位置する「すず気」。朝は「肉めん 肉めし すず気」、昼は「鶏こく中華 すず喜」、夜は「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼」と、時間帯ごとに異なる顔を持つ三毛作営業の名店。
朝営業の限定メニューとしてラーメン好きの間で密かに語り継がれるのが、この「冷やし肉めん」です。

価格は驚きの790円! 東京でこの価格帯というだけでも感謝したいところですが、提供された一杯はその想像を超える密度と迫力を誇っています。

まず目を引くのは、丼を覆い尽くすほどの具材です。大判の豚肉に加え、カラミ・ニンニク・ショウガ・天かすが盛られたその姿は、まるで朝のラッシュアワーのような情報量を帯びており、視覚だけで食欲が刺激されます。
スープはキンキンに冷やさず、あえて“ぬるめ”に調整され、食べやすい温度感になっています。
出汁の旨味がクリアに感じられるようになっており、昆布や節系を軸にした和風出汁に、ビシッと塩気を効かせた構成。ひと口目から輪郭がはっきりと伝わる味わいで、出汁の芯を舌で感じられるような仕上がりです。

麺は平打ちの極太で、加水率高めながら二郎系ラーメンの麺によく使われる“オーション”を練り込んだ珍しいもの。氷水で締められてはいますが、適度な弾力を保ち、モチモチとした食感が楽しめます。スープとの相性も抜群。
豚肉はしっとりとした柔らかさがあり、出汁にじんわりと馴染むことで、ごはんが欲しくなるような力強い存在感を放ちます。脂と赤身のバランスも良く、朝からでも重すぎない絶妙なチューニングがされています。

さらに天かすは香ばしさを加えると同時に、油分のコクも足してくれる名脇役的存在。そこへ、カラミ・ニンニク・ショウガといったトッピングを加えることで、食べ進めるほどに刺激の層が重なり、最後まで飽きることなくいただけます。
そして、冷やし肉めんの真骨頂ともいえるのが、締めの儀式。残ったスープに白ごはんを投入し、まるで冷製出汁茶漬けのようにフィニッシュを迎えるスタイルは、冷やし麺の常識を覆す満足感を与えてくれます。

朝からここまで食べてしまったという背徳感と、それを上回る多幸感が交錯する体験。やる気、元気、そして“すず気”こそが、現代人の活力となるでしょう。
夏季限定で朝7〜9時での提供。定休日以外の休みもあるのでお店のSNSを確認してからの訪問が確実です。ラーメンの朝活を新しいスタンダードにしてくれる、すず気の「冷やし肉めん」。暑い夏にこそ味わいたい一杯です。
肉めん 肉めし すず気住所:東京都三鷹市下連雀3-28-21 B-1営業:7:00〜9:00定休:月・土・日曜X @nikumensuzuki 3/3