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なぜ、ここまで「座りすぎ」が蔓延したのか?

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ーーちょっとドキッとする表現ですね。こんなにも座りすぎが日常化してしまったのには、どんな要因があるのでしょう?
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これはテクノロジーの発展、具体的には電化製品や通信技術の進化が切り離せない要因になっていると感じます。オフィスであれば、昔なら資料をコピーし、配り、会議室へ移動して……と必然的に動かざるを得ない環境がありました。しかし今ではパソコン1台で完結しますし、リモート会議も当たり前です。

家の中でも、お掃除ロボットを活用したり、リモコンひとつであらゆる家電が動かせたりと、明らかに座りすぎているのです。

ーー心当たりしかありません……。運動習慣には気を付けているつもりなのですが。
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興味深いデータもあるんです。

じつは、運動習慣のある人の割合は過去20年で男性30%、女性25%とほぼ変化がないのに、歩数でみると過去20年で男女共に1000歩以上も減少しているんですよ。

これはまさに、日常生活で意識していない歩行時間が大幅に減っているということ。この「意識していない歩行の減少」をどう補うかが重要なんです。

「夜ジムに行けばOK」は大きな勘違い!?

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ーーとはいえ、「日中は座りっぱなしでも、夜ジムに行けば大丈夫」。そんな気もしてしまいますが……。

残念ながら、座りすぎの悪影響は、たとえ運動習慣があったとしても完全に相殺することは難しい、ということが多くの研究で示されています。座りすぎのダメージを運動で相殺するには、1日1時間以上の中強度以上の運動が必要です。

しかし、日本では、それを実行できているのはわずか3~4人に1人程度です。

ーービジネスパーソンが抱きがちな「運動すればチャラになる」は誤解ということですか?

そうなんです。たとえば平日はずっと座りっぱなしで、週末がっつりジムに行くような「ウィークエンド・ウォーリアー(週末戦士)」型というライフスタイルの人もいるでしょう。でも週末にまとめて運動するだけでは、平日の座りすぎを十分に補えないんです。

ーーそれでは、どんな対策が必要なのでしょうか?

たとえば、「30分に1回程度の立ち上がり」や「短時間の歩行」だけでも効果があります。私も参画した厚労省研究班でも、座りっぱなしをやめて少しでも(今より10分でも)体を多く動かす「スイッチ10(テン)」や、それを実現するために座りっぱなしの時間を30分ごとに中断する「ブレイク30(サーティー)」を提唱しています。

つまり、重要なのは活動の“強度”に加え“頻度”なのです。階段を使う(特に下りる)、立って作業する、コーヒーを入れに行くなど、そんな些細な動きでも構いません。

ーー難しく考える必要はないんですね。

先ほどお話しした「意識していない歩行の減少」をどう補うかが重要なんです。私は「座る → 立つ → 歩く」という行為の連鎖が重要だと考えています。「歩く」の前に、「立つ」動作を入れるのです。

まずは立つ頻度を増やし、そこから“ちょこっと歩く”習慣に広げていければ、無理なく行動変容が進みます。
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