
薄切りながらも、うまみを閉じ込めるようにじっくりと焼いているからだろう。肉の旨みがしっかりと感じられて、厚さ以上のボリューム感を楽しむことができる。
上にかかったトリュフ醤油との相性も抜群だ。トリュフの芳醇な香りが、肉の旨みと相まって、まるで高級レストランのような味わい。一口で深い満足感を与えてくれる。
添えられた玉ねぎの南蛮漬けも、シャキシャキとした食感を活かしつつ、酢が立ちすぎないさっぱりとした味付けで、付け合わせとは思えないほどのクオリティだ。

続いては「季節野菜のすり流しスープ」。この日は旬の新玉ねぎのスープだったのだが、ここでも鉄板焼ならではの工夫が光る。新玉ねぎを鉄板で焼き、その上からカツオと昆布で出汁をとったすり流しをかけてくれるのだ。新玉ねぎのやわらかな甘みがじんわりと染み渡り、ホッとする優しい味わいだ。

フレッシュサラダと一緒に出されるのが、ランチでも人気だという「オリジナルハンバーグ」。箸を入れた瞬間、中からジュワ〜っと溢れ出す肉汁に、思わず歓喜の声が漏れ出す。
鶏の軟骨を入れているそうで、ふんわり柔らかな肉の食感の中に、コリコリとしたアクセントが楽しい。添えられた鬼おろしとポン酢のタレでさっぱりと食べられるのもポイントだ。
食べる前は120gというボリュームに「こんなに食べたらメインのステーキが 食べられないのでは……」という思いが頭をよぎったが、これが不思議とペロリと食べられてしまった。

さて、いよいよ真打「黒毛和牛のステーキ」の登場だ。まずはシェフが塊肉をお披露目してくれるのだが、これが眼福の光景。適度にサシが入り、表面はなまめかしい照りを放ち、見ているだけでウマいことがわかる。
3/4