「エルメス」の新作ウォッチは“時間を忘れさせる”!? メゾンの深遠なるユーモアに感嘆

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腕時計を身に着ける意味の第一義は、当然時間を知ることだ。それが「時間を忘れたいから着ける」と言われたら……価値観がどれだけ多様化したとしても「待ってくれ、時計だぜ？」と言いたくなる。

だが実際、時間を忘れるための機能を持つ腕時計がここに存在する。

十数年ぶりの復活を果たした「エルメス カット タンシュスポンデュ」。その手順はきわめて明快である。8時位置のボタンを押すだけ。

すると12時位置付近の扇形の範囲で、実際にはあり得ない時間（写真のような、何時何分と読めない時間だ）に時分針がジャンプし、文字盤上のすべての針の動きが止まるのだ。この瞬間、所有者は時間のくびきから全面的に解放されるというわけ。

改めて時間を知りたくなったら、再度ボタンを押せばOK。時分針はただちにジャンプして、そのときの正しい時間を指し示してくれる。この深遠なるユーモアよ。