土山流カスタムの原点
フロントフェイスはジープの「セブンスロットグリル」に最大限近づけた。

実は、土山さんがカスタムするのは車だけに留まらない。愛用するものはすべて、多勢に埋もれぬ存在に昇華させるのが土山流なのだ。
「僕は人と被るのがとにかくイヤなんです。仕事道具のカメラも、愛車のハーレーも、事務所の内装もこだわりまくってます。ジープを買った当時はまだ駆け出しでしたけど、1年目の給料を全部注ぎ込んで全力でカスタムしました」。

カスタムする理由はいろいろあるが、いちばんの影響は師匠の教えだという。
「フォトグラファーって星の数ほどいるじゃないですか、東京なんて特に。でも、このデリカは間違いなく僕しかいない。だから、どこかで見かけてもらえたら『この間、居たでしょ?』っていう会話のきっかけになる。今までもジープやハーレーでたくさん声をかけていただきました。
そうやって記憶の片隅に置いてもらえば、僕を思い出して仕事をオファーしてもらえるかもしれない。これは、師匠から学んだ教えなんです。目立つ分、悪いこともできないんですけどね(笑)」。
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新車と旧車を並べてスマホで写真撮影する土山さん。
取材から数日後、ジープを査定に出す予定だと話した土山さん。手放す覚悟はできているが、当然名残惜しくもある。
「めちゃくちゃ悲しいですよ。別れる日は本当に泣くんじゃないかな……。でも、子どもたちも喜んでるので、今度はデリカを乗り尽くしますよ。そして、ジープも将来、また必ず乗ります」。