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リアルな映像がもたらす海洋汚染のインパクト


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井植 そして次のドームBでは、観客全員が真っ暗な空間の中に座って、巨大な球形のLEDディスプレイに全編フルCGで構成された映像が映し出されています。あの映像を見ると本当にリアルに、海がどれぐらいマイクロプラスチックで汚染されてきたか、誰もが一目で理解することができますね。

更家 このLEDは非常に高精細で、しかもディスプレイ自体が球形であることを活かし、これまでにないリアルな映像表現を可能にしています。海に捨てられたプラスチック製品やビニール袋が、どんな風にマイクロプラスチックになっていき、やがて目に見えない微粒子となって生物の体内に蓄積されていくか、言葉抜きで理解できる映像です。

あれを見ると「海のために自分も何かしなくてはならない」と思いますよね。
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井植 本当に衝撃的な映像でした。言葉がないので、あらゆる国の人が理解できますし、小学生ぐらいのお子さんも見ればきっと海を大切にする気持ちが芽生えるはずです。7分ほどの映像ですが、私たち大人に対して本当に大きな課題を突きつけてくれますね。

更家 映像に合わせて流れる音楽は、北海道知床出身で、ロンドンを拠点に活動するハチスノイトさんという女性の歌です。ハチスノイトさんは原さんからの紹介だったのですが、初めてその声を聞いたとき、沖縄のシャーマンの祈りにも通じるような感覚を覚えました。

体が震えるような低音で始まる歌は、海洋の置かれている今の状況を暗示しているようにも感じます。歌声はやがて美しいソプラノへと変化していきますが、それは我々の行動によってのみ起こり得る、明るい未来を象徴しているのかもしれません。ぜひこの展示をきっかけに、ハチスノイトさんの活動にも注目していただければと思います。


それぞれ異なる視点から作られた3つのエリアから、海の現状を知れるブルーオーシャン・ドーム。ぜひ現地へ足を運び、「海のために何ができるのか」を考えてみてほしい。

濱田智則=写真 大越 裕=取材・文

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