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2025.05.24

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「日本の駄菓子屋は、まるで異世界だった」イタリア人マッシが“駄菓子文化”に感動したワケ


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「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは……

誰もが子供の頃に親しんだ駄菓子。海外ではあまり知られていないものだが、初来日で駄菓子に出合ったマッシは不思議と懐かしさを感じたとか。日本人の子供時代に思いを馳せるマッシの共感力は……さすがである。

【写真9点】「駄菓子」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

初来日で出合った、日本の駄菓子

2002年、僕がまだ高校生の頃。旅行で初めて来日したときに行った、東京の下町にある小さな駄菓子屋さん。所狭しと並べられたカラフルなお菓子やおもちゃ、そして日本の木造建築の香りに、なぜかイタリア人の僕でも子供の頃にタイムスリップしたような感覚になった。イタリアの小さな村で育った僕にとって、こんなに目で楽しめて、遊び心に溢れたお菓子の世界は初めてだった。
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初めて日本の駄菓子屋さんを訪れた日、僕はまるで異世界に迷い込んだようだった。カラフルなパッケージ、奇妙な形をしたお菓子、一つひとつに物語が閉じ込められているような雰囲気に僕の心は惹きつけられた。



恐る恐るいくつかのお菓子を手に取ってみた。ブタメン、フエラムネ、ココアシガレット……名前も形も初めて見るものばかりだ。最初に口にしたのは、「きなこ棒」だった。素朴で優しい甘さと、香ばしいきなこの風味が口に広がり、それまで食べたことがなかったのになぜか懐かしい気持ちになった。

次に試したのは、「餅太郎」。カリカリとした食感と、ほんのりとした塩味が絶妙なバランスで、あっという間にひと袋食べきってしまった。「タラタラしてんじゃねーよ」も名前の意味が面白くて、イタリア人の友達にプレゼントをしたことがある。



なかでも僕がいちばん心を奪われたのは、「ラムネ」だった。2002年の初来日のとき、たまたま地域のお祭りが開催されていて、そこで初めてビー玉の入った瓶を目にして、その可愛らしい姿に心を奪われた。

栓を開けるとシュワシュワと泡が立って、爽やかな香りがする。口に含むと優しい甘さと炭酸の刺激があって、子供の頃に飲んだサイダーの記憶が蘇った。ビー玉を取り出すときは当時高校生だった僕も、今現在大人になった僕も、いつだってワクワクさせられる。
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