N-ARK 代表取締役/総合プロデューサー 田崎有城さん。デニムジャケット2万790円/ゲス ジーンズ(ゲス 0120-82-3788)、シャツ3万800円/アンデコレイテッド 03-3794-4037
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すべての写真を見る 「産業革命以降の世界の平均気温上昇を1.5℃以内に抑えることが京都議定書で定められましたが、今年のWMO(世界気象機関)の報告書によると残念ながら2024年にその水準を超えてしまいました。
今後は“ホットハウス・アース・シナリオ”という気候変動に伴う災害リスクが高まる異常気象が常態化。海面上昇によって都市が水没するなど、人間が住めなくなる地域が広がり、今以上に気候難民が増える可能性がある。
そして50年までに1.2億人にも上るといわれる、彼らの受け入れ場所が必要となってくるのです」。
こう話す田崎有城さんは、海上建築のスタートアップ企業N-ARKの代表。そんな田崎さんが警鐘を鳴らす気候難民の受け皿にもなり、都市部の住居不足解消にも役立つと目されるのが、N-ARKの推進する海上建築というわけだ。
田崎さんが推進する海上都市の未来予想図。住居だけではなく、生活に必要な都市機能がすべてパッケージされており、移動や施設の編集も可能だ。
「地上の都市開発は時間も予算も膨大にかかり、一度造ったら当然動かせず、地権が絡むため都市的な統合も非常に難しい。対して水上なら造船技術の転用によって開発時間も早く、予算も安く済みます。
そしてゼロベースでAIシティ、スマートシティといった最新設備の浮体都市をレストランやカフェ、ホテルなどをパッケージした収益モデルごと構築できるのです」。
海の上に、都市として機能する街を丸ごと浮かべる。まるで近未来を描いたSF映画のような話だが、驚くことに技術的には既にクリアされているという。
そして海面上昇の影響が著しく、海上建築の先進国となっているオランダでは、具体的なプロジェクトも進行しているそうだ。
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