
ところで、この車って性能を超えて、“アイコン”ですよね。
「弊社事務所の若手俳優や多くの芸能人のなかにも、“いつかはGクラス”という夢を持っている人がたくさんいますからね」。
性能より存在そのものに価値を見いだすんですね。
「僕はスペックや機能を吟味するタイプだけど、見た目やブランドで選びたいって気持ちも理解できる。その希望をガッツリ受け止めてくれるのがGクラスのすごさです」。
ガソリン車との外観上の違いはリアタイヤの有無くらい。写真のようにリアボックスには充電ケーブルを収納できる。「WLTC530kmの航続距離、搭載バッテリーは大容量の116kWと十分なスペック。ただし、だいたい400km走るとしても、日本の充電インフラで考えると150kW級の急速充電施設はまだまだ少ないのが気になるところです」。
ズバリ買いますか?
「Gクラスを買うなら、迷わずこのBEVにします。理由は燃費。ガソリン車のメルセデス AMG G 63はWLTCモードで燃料消費率がリッター6.8km。環境負荷の高さにちょっと後ろめたさを感じます。
でもこのG 580 EQなら、私の自宅ガレージにあるソーラー発電で電力を給電して走らせられる。自己満足かもしれないけど、乗る理由の言い訳ができますから(笑)」。

走行モードの変化も面白い。
「極上の快適性が魅力の『コンフォート』。猛獣のような加速が楽しめる『スポーツ』。そしてGロアーでV8サウンド演出。まさに二面性のGクラス。乗り手次第でどんなキャラクターにもなれる」。
だからこそ、運転する側の理性が問われるのかも(笑)。
「“心のアクセル”で調整するしかない。GクラスはやっぱりGクラス。電動になっても、その魂は変わらない。むしろ新しい価値を纏ってきた。まさに唯一無二のBEVなんだと思いますよ」。
安東弘樹●1967年、神奈川県生まれ。愛車遍歴およそ50台を誇る生粋のカーガイで、ドライブはただひたすら車を運転していたい派。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。現在はBMW X5 PHEV、電気自動車プジョー e-208などを所有する。
OCEANS 6月「トレンドよりも、スタイルを。」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!
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