
現WBA世界バンタム級チャンピオン・堤 聖也さん。ボクシング界切ってのアメカジ好きであり、ヴィンテージフリークでもある。
自らを“アメカジボクサー”と称するように、その思いはボクシングにも勝るとも劣らない、強いこだわりと深い愛情が混在する。
今回は特にお気に入りのプライベートアイテムを通じて、アメカジ愛に目覚めたキッカケやこだわりを聞いてみた。
【写真27点】「『アメカジや古着は“生き方”です』WBA世界王者・堤聖也の激レアヴィンテージアウター4選!」の詳細を写真でチェック 話を聞いたのは……
堤 聖也⚫︎プロボクサー。1995年12月24日生まれ、熊本県熊本市出身。角海老宝石ボクシングジム所属。2018年にプロデビューを果たすと、2022年には日本バンタム級チャンピオンに。昨年10月、有明アリーナで行われたタイトルマッチで勝利し、WBA世界バンタム級チャンピオンの座を獲得した。IG:punch_burger_223
高校時代に通った地元のお店で”アメカジ愛”が開眼

堤さんの故郷である熊本県熊本市は、九州屈指のおしゃれエリアとして昔から有名だった。例えば、1985年にビームスが初めて地方に出店したのが熊本だった(現『ビームス 熊本』)ことからも、街全体のファッション感度がいかに高かったかが伺い知れる。
アメカジやヴィンテージに関しても同様で、トレンドを踏まえつつ独自のカルチャーが生まれやすかったのだ。そんな環境で育った堤さんは、小学生の頃から無意識にチェックネルのシャツを好んで着ていたほど、アメカジは身近なものだった。

「アメカジやヴィンテージの知識が全くなかった高校一年生の時に、N-1
※のレプリカを買ったんです。不思議なデザインだったので、色々と調べていったら、海軍のデッキジャケットだとわかって。服のバックボーンを知れたことが自分にとっては大きな出来事でした。そこから興味を持ち出しましたね」。
本格的にハマるきっかけとなったのは高校時代。今年、創業22年を迎える老舗古着ショップ『スモーキー』に通うようになってからだ。
※ N-1デッキジャケット。1940年代から’50年代にアメリカ海軍の船上作業員が着用した、防寒服
「店主の濱﨑正智さんからは、ヴィンテージアイテムの知識や歴史はもちろん、礼儀や節度など人として大事なことをたくさん教わりました。
プロボクサーとしてデビューし、チャンピオンになるまで、たくさん大変なことがありました。でも、ハマさんの教えを思い出し、乗り越えられたことも多々あって。本当に感謝しかないです。
だから僕の中では、古着やアメカジが単にカッコいいから好きというよりも、”自分の生き方として着ている”という気持ちが強い。服に対する向き合い方はもちろん、愛情の持ち方もほかの人とは全く違うと自負しています」。

ヴィンテージを掘っていくうちに、堤さんはさまざまな歴史を知る。そうして『いま作られている服の原点はアメカジにある』と感じるようになった。
「知識を蓄えていくと同時に、どうせ着るなら“本物”と呼ばれるものを着たいという思いが強くなったんです。そして、”誰から買うか”も重要視していますね。
小岩にあるヴィンテージショップ『ジョニー』や、地元・熊本の『インディアンサマー』や『グッドフェローズ』、あと富山の『フォアモスト』。信頼のおけるお店で購入するようにしています」。
2/5