左からデイヴィッド・ストーヴァー、ベン・ネッパーズ、ケビン・エーハーン。ブレオ創業者3人はカリフォルニアを拠点とするサーファー。 Tim Davis©2025Patagonia,Inc.
地球全体で毎年880万トンのプラスチックが水域に流出し、その中で漁具による被害を受ける海洋生物は推定65万匹。
その現状を憂いた3人の若きサーファーが立ち上げたブレオは、廃漁網を管理するインフラがほとんど皆無だったチリの漁業関係者に働きかけ、回収するシステムを作り上げた。
チリで漁網修繕ビジネスを行うジャクリーヌ・サングエサ(右)。彼女は海洋生物の保護にも貢献できると思い、廃棄される網を引き渡すことでブレオをサポートする。こうして現地民と協力しながらwin-winの関係を作り上げていくことも、ブレオの「ネットプラス」事業が目的とすることのひとつだ。 Jürgen Westermeyer©2025Patagonia,Inc.
同時に、現地漁師の生活環境の改善にも配慮。創業者のひとり、ベンはこう語る。
「漁師が釣った魚を売るのと同じように、廃漁網を収集し、ブレオに売ることを彼ら自身のビジネスにすることができる。廃漁網を回収することで収入を得られるんだ。最終的には、すべてを彼らに手渡したい」。
つまり、環境保護の観点だけでなく、コミュニティを健全に保つためにもこの事業は機能するのだ。
そうして回収された廃漁網を用いて、ブレオは「ネットプラス」という素材を開発。スケートボードやサーフボードのフィン、アウトドアやビーチで役立つウェアへと生まれ変わった。
2025年春夏、パタゴニアは、これまで以上に「ネットプラス」を使用したアイテムを展開。定番となる「バギーズ」ショーツも同様で、海の互恵関係に着想を得た魚モチーフや、よりシンプルなボーダーなどをリリース。各9900円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 0800-8887-447)
生きるために必要な道具が捨てられて自然を汚してしまう前に回収し、改めて自然を楽しむためのものへと昇華させる。これこそ、イヴォンが語った冒頭の言葉である“自然との連動”のひとつの形だ。
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