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つい先日、女性社員たちの会話が耳に入り、その内容に大きな衝撃を受けた。
「体臭キツいおじさんっていろいろいるけどさ、私、コンポタ臭だけは本当にムリ」。
「わかる! コンポタおじさん! あの臭いは耐えられない」。
どうやら彼女たちのなかで「コンポタ臭」は共通用語らしい。本来、コンポタの匂いなんていい香りに決まっているハズだが、これがこと体臭となると、周囲に相当な不快感を与えてしまうらしい。
“スメハラ(スメルハラスメント)”が社会問題にもなっている昨今、ひょっとして自分もそんな臭いを発生させているのではないか……? 「コンポタ臭」の正体を探るべく、「オドレート」代表取締役の石田翔太さんに話を聞いた。
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石田 翔太さん●「オドレート株式会社」代表。学生時代に自身が体臭で悩んだ経験から、2016年にオドレート株式会社を設立。自分の体臭を見える化する郵送検査キット『odorate』を開発する。においに関する唯一の国家資格である「臭気判定士」資格を持ち、現在も月100人以上の体臭の評価とアドバイスをおこなっている。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。日本分析化学会会員。オドレート株式会社が運営する、体臭に関する正しい知識とケア方法を発信する総合研究サイト「体臭ラボ」HP:https://odorate.co.jp/taishulab/body-odor-base Instagram:@odorate_nioi
30代から臭い始める「ミドル脂臭」に要注意

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――石田さんはこれまでに5000人以上の体臭評価とアドバイスをおこなってきた、まさに臭いのスペシャリストですよね。ありがとうございます(笑)。
――体臭にも色々な種類があるとは思いますが、「コンポタ臭」って本当に存在するんでしょうか?はい。これはいわゆる体臭が「とうもろこし臭」だということを指しているのでしょう。
どことなく甘くて香ばしい、コーンポタージュ風味のようでもあり、焦げたポップコーンのようでもある……なんとも形容しがたいのですが、ムワッとして不快な臭いの一種だと言えます。
――やはりコンポタ臭は存在すると。なぜこうした臭いが発生してしまうんでしょう?要因はさまざまですが、おもに「ミドル脂臭」「糖尿病」「血中脂肪が高い」の3つが考えられます。
――ミドル脂臭というワードはよく耳にしますが、どういう臭いですか?世代臭といわれる、年齢に応じて発生しやすくなる臭いの一種です。いわゆる「加齢臭」は、40~50代頃に現れる中高年特有の臭いで、古本やロウソク、枯れ草のような臭いに例えられることが多いです。
一方の「ミドル脂臭」は30~40代頃から現れ、おもに後頭部や首にかけて、使い古しの油のような臭いや、生ゴミのような臭いがするのが特徴です。
ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」は、それ単独でもエナジードリンクのような甘ったるさや、少し焦げくさいような不快な臭いを持っています。
さらに、そのジアセチルと頭皮の臭いなどの原因成分である「中鎖脂肪酸」が混ざることで、より不快なミドル脂臭となり、どことなくとうもろこしに近いような臭いを強調してしまうんです。これが1つ目の要因ですね。
――つまり、我々世代が気をつけるべき臭いということですね。 2/2