
いよいよ明日4月13日(日)、「大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)」が開幕する。国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」達成に向けても、重要な役割を果たすイベントだ。
そんな万博で、海を愛する者にとって見ておくべきパビリオンがある。特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが手掛ける「BLUE OCEAN DOME」だ。
「海の蘇生」をテーマとし、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護を、来館者が楽しみながら学ぶことができる。
▶︎すべての写真を見る BLUE OCEAN DOMEとは?

2019年のG20 大阪サミットで発表された、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050年までにゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」。その実現を目標とするのがBLUE OCEAN DOMEだ。
海は今、漁礁の減少、海水温の上昇、気候変動よる大災害、そしてプラスチック汚染など、さまざまな危機に直面している。
ここでは海の問題を克明に描き出すと同時に、地球、宇宙、生命、環境といった大きな概念と海の関係を捉え直し、環境モラルの変化を促すコンテンツが盛りだくさんだ。
水の循環を再現するドームA。 エンジニア集団のnomenaが制作に協力した、超はっ水・巨大立体アートピースで、 水という物質を見つめ直す。水の面白さと不思議さを体験できる。
シアター式の空間で圧倒的な映像を視聴することにより、来場者の意識変容を促すドームB。東京、仙台、サンフランシスコを拠点に活動するビジュアルスタジオ・WOWが映像を制作した。
世界各国から参加する組織・団体と連携しイベントを開催するドームC。超ワイドなLEDスクリーンを備えた BLUE OCEAN STUDIOを起点とし、ジャンルを超えた人々が海について見つめ直す。
総合プロデューサーを日本デザインセンターの原 研哉さん、建築プロデューサーを坂茂建築設計の坂茂さんが担った。
環境に配慮した日本の竹、カーボンファイバー(CFRP)、紙管を使用し骨組みを作成。それにより、基礎に杭を打設しない施工で軽量かつ大規模な空間を構築した。
また、再利用を視野に入れて設計がなされ、廃棄物を徹底的に削減することに成功。万博会期終了後は、モルディブ共和国内へ移設される予定だ。
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国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」達成の目標年である2030年まで残り5年。このたび開催される大阪・関西万博は「SDGs万博」とも評される。
そこで“海を守ること”をあらためて見つめなおせる「BLUE OCEAN DOME」。見逃すわけにはいかないだろう。