▶︎すべての写真を見る運動不足解消やダイエットのために、日々の生活に取り入れているランニング。しかし、毎日一生懸命走っているのになかなか痩せない……という悩みもちらほら。
そんな“努力が報われない現象”に悩んでいる人は意外と多い。頑張っているのに、成果が出ないのはなぜ?
その理由を探るべく、『10分で心と体が変わる ズルいランニング』の著者で、自身もランニングで10㎏痩せた経験をもつランナーのSUIさんに、痩せない原因とその対策を聞いた。
聞いたのはこの人!
SUIさん●シンガーソングランナーとして、歌い走り目標に向かって進む人を応援し続けている。 陸上未経験ながら2020年大阪国際女子マラソンで2時間57分36秒で走りサブ3を達成。2025年東京マラソンに出場、2時間55分13秒で完走しさらに自己ベストを更新した。音楽ではテレビ東京、TBS番組にて起用され、各種イベントやメーカーのイメージソングも担当し活動を広げている。 自身のYou Tube『UtaRunチャンネル』(16万人登録)からも発信を続けている。 www.youtube.com/@UtaRunSUI
ダイエット目的のランニング、そもそもあり? なし?

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――自分を含め、周りにもダイエット目的でランニングをしている人がけっこういるんですが、走っているのに痩せないという悩みをよく耳にします。ランニングで痩せない理由は、目標設定の仕方や、走る量、走り方、食事、走る前後のケアなど人によってさまざまな理由があります。その中でも、ランニングを始めたばかりの人が陥りやすいのが「頑張りすぎ」の罠です。
――「頑張りすぎ」の罠?私自身はランニングを始めて10年で10kg以上痩せました。1年1kgペースなので、正直数字としてのインパクトには欠けるんですよね(笑)。でも、振り返ってみると大きな成果ですし、逆にこのペースだったからリバウンドせずに、今も楽しく走りながら体型維持ができているんだと思います。
一方、ダイエット目的でランニングをしている人は「走れば痩せる!」と考えがち。確かに、短期間で痩せることもありますが、それは「痩せ細る」という感じで、健康的な痩せ方ではないことも多いです。
ランニングは、30分走っても消費カロリーは男性でだいたい100キロカロリー、多くても200キロカロリー程度なんです。でも多くの人は、痩せるために「もっと頑張らなきゃ」と思って無理して走る。例えば、500キロカロリー消費するために毎日20km走るとか。仕事や家庭がある中で、これを取り入れるのはあまり現実的ではないですよね。
――そのうち無理が生じて、結局続かなくなるというパターンですね。そうなんです。ですから、ランニングで消費するカロリーは、あくまで「おまけ」と考えてほしいんです。
ランニングの良いところは、身体と心がチューニングされ、メンタルが整うこと。
その結果、食欲の暴走に振り回されることがなくなっていき、心身が整って、結果「気づいたら」痩せている! という良い循環が生まれる。この「気づいたら」というのが大事なポイントなんです。
――なるほど。ランニングだけでカロリーを消費して痩せようとすること自体、方向性を見直した方がいいということですね。ランニングはあくまで身体と心を整える手段として取り入れるのが理想です。ダイエットは、本当に地味なことほど大事なんですよね。
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