「どう見られるか」より、「どう向き合っているか」
では、格闘技に憧れる子どもたち、ファンからの捉われ方についてはどう感じているのか? そう聞いてみると、天心はあっけらかんと答えた。

「捉われ方は、正直あんまり気にしてないんですよね。自分自身をどれだけ理解しているかが一番大事だと思ってます。自分との会話を大切にする。それを習慣にできれば、何をしても心が揺れないし、辛くならない。ある意味、最強かもしれない(笑)。
神道とかにも、『自分を知ることが大切』って書いてあるんです。そういうのを学んでいくと、自分の考えって、昔の教えとつながってるんだなって気付くことがある」。

SNSが日常に溶け込んだ現代。言葉ひとつで誤解され、炎上するリスクと常に隣り合わせだ。
「でも、そういう声を気にして生きても、結局その人たちは何かあったら逃げますよ。責任なんか取ってくれない。だから僕は、信頼できる人の声を大切にしてます。それだけで、ずいぶん楽になれると思うんです。周りの人って、意外と自分のことそんなに気にしてないですから(笑)」。
「未完成」であることが、最高の強さ

自分の内側を見つめ、自分の軸で生きる。そんな天心でも「自分に負けたな」と思う瞬間はあるのだろうか。
「ありますよ。むしろ日常的に(笑)。スパーリングで掴んだ感覚が翌日には崩れる。自信が揺らぐ。でも、そのすべてをプロセスとして受け止めてるんです」。
完璧を装わず、未完成であることを認めて曝け出す。それこそが、今の時代に必要な強さだと天心は語る。
「失敗を見せられる人って、実はすごく素敵だと思うんです。キレイなものばかりじゃなくて、過程やうまくいかない部分を出すことに、意味がある。見えない理想を追いかけてるときが、一番楽しい」。
6/6