「日常から試合は始まっている」──他競技・カルチャーからの学び

「やっぱり、自分にとっては格闘技が一番面白いんですよ」。
そう断言しながらも、天心は常に他の競技やカルチャーから刺激を受けるという。
例えば、サッカー日本代表のW杯出場決定戦、メジャーリーグ開幕の大谷翔平の試合。世界を舞台に戦うアスリートたちの姿を、彼は現地で体感しながら吸収している。

「どんな競技を見ても、主催者目線で見ちゃうんです。これを格闘技に取り入れたら面白いなとか、選手の立ち振る舞いが全体にどう影響するか、とか」。
観客として楽しむのではなく、いつも演出する側として見ている。会場の空気、間の取り方、見せ方……細かなすべてが、彼のなかで格闘技に還元されていく。

「そんななかでも強く影響を受けたのはプロレスですね」。
試合だけでなく、入場、会見、インタビュー、言葉のひとつまで含めた総合芸術。17〜18歳の頃に本格的にプロレスを見て以来、彼のなかに表現者としての自覚が芽生えたと言う。ただ勝てばいい、ただ強ければいいではなく、どう魅せるかという視点。
「入場から……いや日常から試合が始まっているっていう感覚で。格闘技をもっと広く、深く、“表現”として突き詰めていきたいんです」。
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