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2025.04.18

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那須川天心「人間関係以外、守るべきものがない」。世界前哨戦を目前に語る“泥臭い”生き様



いよいよ世界の舞台を目前に捉えた。WBA世界バンタム級1位の那須川天心は本日、記者発表会見に出席。6月8日(日)、東京・有明で世界前哨戦に臨むと発表した。

キックボクシングでは42戦無敗。“神童”と呼ばれた男はすべてを手放し、ボクシングへと転向した。現在、6戦無敗。次戦はWBA世界同級6位、ビクトル・サンティリャンを相手に10回戦に挑む。

「これは、“人生2周目”なんです」――。オーシャンズは今年3月、天心に単独インタビューを実施。
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勝利のためだけでもなく、名誉のためでもない。派手な演出はいらない。静かに、まっすぐに。那須川天心はいま、再び“挑戦者”として歩み始めた。

▶︎【写真12点】「那須川天心『人間関係以外、守るべきものがない』。世界前哨戦を目前に語る“泥臭い”生き様」

天心が「人生2周目」と呼ぶ理由──ボクシングという再出発



「那須川天心です。よろしくお願いします!」

朝のロードワークを終えたばかりとは思えないほど、那須川天心は軽やかに現れた。その場の空気には、いっさいの気負いがない。“つくっていない”という意味で、これほど自然体な人も珍しい。

そうして、リラックスした中でインタビューは始まった。



――ボクシング転向後、この2年をひと言で例えるなら?

「人生2周目っていう感覚に近いですね」。少し考えるようにして、言葉を紡いだ。

キックボクシングで42戦無敗。その名は格闘技ファンのみならず、テレビやSNSを通じて全国に知れ渡った。5歳から始めた格闘技は、天心にとって人生そのものだ。

そして2023年4月にボクシングへとステージを移しても、無敗のまま6連勝。今はWBC世界ランキング1位という位置に立った。



「僕がボクシングに転向したのは、格闘技の象徴になりたいと思ったから。競技が変わっても、“芯”の部分は何も変わっていないんです」。

それでも天心の中で変わったのは、表現の手段だった。以前は「知ってもらう」ことを第一に考え、テレビ、YouTube、SNS、あらゆるメディアに登場し、自らの存在を広く届けてきた。

だが、THE MATCHで東京ドームを満員にし、日本中の注目を集めたその夜を境に、天心のスタンスは静かに変わり始めた。
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