自分の凸凹を知ることで二次障害を防ぐ
二次障害を発症しないためにはまず、発達障害の診断を早めに受けて自分の得意なことと不得意なことを知ることが大切です。つまり、障害を受け入れる必要があるということです。

発達障害と診断された人は、「自分の生きづらさの原因がわかってスッキリした」という人と「自分は障害者だったのか」とショックを受ける人の主に2パターンがあります。筆者は原因が判明しスッキリした派だったのですが、ショックを受けた人が障害を受容するには少し時間がかかるかもしれません。
でも、障害を受け入れて自分の得意・不得意がわかれば、得意な分野の仕事を選んだり、不得意なことをライフハックに頼ったりすることで二次障害を発症しづらくなります。
ここでは例として、筆者の不得意なことと、それを改善するために実施していることを紹介します。まず、不得意なことを洗い出すと以下でした。
・スケジュール管理が極端に苦手(予定の日時を間違え、ダブルブッキングを頻発してしまう)
・注意していても忘れ物が極端に多い
・部屋の片付けをしても、逆に散らかしてしまう
・暗算ができない(買い物の際、だいたいの合計金額がイメージできない)
・確定申告などの細かい計算ができない
・文字数や行数などの細かいものを数えるのが苦手
これらの苦手なことは、書き出して可視化すると把握しやすくなり、改善策を考えやすくなります。
次に現在、実施している対処法が以下です。
・スケジュールは大きなカレンダーに記入し、常に目に入るようにする
・必需品(鍵、スマホ、財布など)は必ず玄関の定位置に置く
・忘れ物をしないよう、玄関の壁に小さなホワイトボードを掛けて書いておく
・部屋の片付けは、片付ける順番を夫に指示してもらう
ほかにも、算数LDによる困りごとは、金銭管理を夫に任せる、経理や確定申告は税理士に依頼することで改善しました。仕事でのミスに関しては、あらかじめ関係者に「発達特性でミスをしやすいため、忘れていることがあれば遠慮なく言ってほしい」などと伝えるようにしています。
発達障害は、“できること”と“できないこと”の差が大きな凸凹のある障害です。
工夫すればひとりでできることもありますが、まわりの理解を得ることも視野に入れてみてください。少しずつ困りごとを解消していけば、二次障害を併発するリスクを軽減できるはずです。
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