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2025.03.21

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「カブトムシはダントツでまずい」町工場を継ぎ、家計の足しに始めた野食系YouTuberの裏側

誕生日に娘からもらった手紙にちーとんさんは涙した(写真:ちーとんさん提供)

誕生日に娘からもらった手紙にちーとんさんは涙した(写真:ちーとんさん提供)


当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。

YouTuberの世界をみなさんはどう見ているだろうか。

似たような内容のチャンネルであれば、当然ライバルである。同時にコラボするなど仲のいい動画なども見たことがある人も多いだろう。

実家の経営する町工場の苦しい収入を補うためをYouTubeの世界に飛び込んだちーとんさんは、しっかりとした収益をあげるまで、8年間試行錯誤を繰り返した。
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そして、その支えには家族はもちろん仲間のYouTuberの存在があった。

*この記事の前半:「ザリガニを食べる」"野食系YouTuber"の意外すぎる正体

「町工場」と「YouTuber」の掛け持ち生活

今年に入り「井戸水で育ったアメリカザリガニを食べてみた結果がヤバすぎた」が260万再生(2025年3月7日現在)を超えるなど大バズりした野食系YouTuberちーとんさん。

彼はおよそ10年前、実家の町工場で働く傍ら、少しでも生活費を稼ぐためにとYouTubeの世界に飛び込んだ。

動画がバズり、家計の足しになる収益を得るまでにかけた期間はおよそ8年間。

そこまで心折れずに続けられたというのは本当にすごいことであるが、いったい何がちーとんさんを支えていたのだろうか。

「すでに稼げている人たちがいるというのが一番ですね。自分もあの人たちと同じことをやれば稼げるとわかっていたので。それで稼げないなら、自分のやり方が悪いだけなので、修正していけばいいだけです。そう考えて続けてきました」

ある種の反骨精神と言おうか、小さいころから何かに取り組みできるまで諦めない子どもだったという。

「たとえば最初のころは再生回数が100から150再生になっただけで、それはもう僕の中では伸びなんです。110が翌日120。たった10でも、これは伸びなんです。『これを続けていけば大丈夫だ』と確信していました」

この考え方には何十万再生ということではなく、小さな数字から積み上げてきたYouTuberとしての信念が確かにある。

「妻には本当に苦労かけたと思いますが、『がんばってね』といつも励まされてましたね。妻は子どもたちにも『パパは家族のために一生懸命にYouTubeを撮ってるんだよ』ってよく話してくれていて……」

ちーとんさんの一番の支えは家族の存在だったのだ。

およそ8年もの間、試行錯誤を繰り返してきたYouTube。その傍らにはつねに家族がいた。

「あるとき、末娘が僕の誕生日に手紙をくれたんです。『パパはお仕事が2つあって大変なのに、YouTubeがんばってくれてありがとう』って。それはすごく嬉しかったですね」

これは心に響いた手紙だった。その話をしながら、ちーとんさんの目には涙が浮かんでいた。

我々が画面では決して見ることがないYouTuberの裏側であろう。

何かとラクしているように見られがちなYouTubeの世界であるが、そのほとんどは短期間で諦めていく厳しい世界である。
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