「先輩のほとんどはバイクに乗っていましたから自然と興味を持ちますよね。昔はめちゃくちゃいじったヤマハのSR、ホンダのCBRやCBXも乗っていました。
一目置かれていた方々は旧車のバイクにも乗っていましたから、となると必然的に“旧車=シブい”、という方程式がDNAに刷り込まれていきますよね」。
地元の話を聞けば、引地さんのスタイルや嗜好性も腑に落ちる。もちろんバイクでの方程式は四輪にも当てはまり、一昨年には念願だった1982年式の日産セドリック ワゴンを購入した。

「岸和田の大人たちは、今振り返ってもやはり格好良いい人が多いんですよ。それで、車が欲しいなとなったときに子供の頃よく見ていた人たちの愛車を真っ先に思い浮かべました。そのひとつが日産セドリック。
今の若い子たちでも、玉数の多い90年代のセドリックを探している人は多いと思います。でも、僕の原体験はそこじゃなかったんですよ」。

「この82年から年式が10年も違うと、形も全然違ってくる。コンセプトから変わっていますからね。90年代ともなるともうバンパーの“アゴ”も出てないですし、ドアミラーもフロントウィンドウのすぐ横に付いてます。僕の脳裏にあるのは、ドアミラーがボンネット脇に付いた80年代のデザインだったんですよ」。
そんな折、テリー伊藤さんのYouTubeチャンネルでついに居場所をつきとめる。

「ヴィンテージカーを探す企画をやってらっしゃって、暇があれば僕もたまに見ていました。やはり、90年代に人気を博したY30型は出てくるんですけど、80年前後の430型はほとんどない。もう見つからないんだろうな〜って半ば諦めかけていたら、テリー伊藤さんが見つけたんですよ。
その情報をもとに販売会社へ辿り着き、実物を拝見しました。興奮しましたね。スタッフさんも、車体はあれど実際に動かせるものとなると、もう国内に4台もないんじゃないかと話していました」。
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