
スタイリスト熊谷隆志が自身のブランド、GDCをリ・スタートさせ、東京・代官山にショップをオープンさせる。OCEANS世代には懐かしい1998年誕生のブランドをなぜ今、復活させたのか? 新たなアイテムはどんなものか? 本人にその真意を聞いた。
熊谷隆志
1970 年、岩手・盛岡生まれ。 留学先のフランスから帰国後、 94 年よりスタイリストとして活動を開始。現在はスタイリストに加え、企業ブランディングやショップ内装を手掛け るなど、幅広い分野で活躍。
自身初のブランドをリ・スタートするワケ
編集部 まずはGDCのリスタート、おめでとうございます! 40代のOCEANS読者層にとっては懐かしいブランドです。当時は一線で活躍するミュージシャンや俳優などもこぞって着用していました。それを、なぜ今のタイミングで復活させようと思ったのですか?
熊谷 2025年現在のファッションシーンにおいて、GDCはまた「新しい存在」として、役割を果たせると思ったからですね。
編集部 「新しい」とはどういうことでしょう?
熊谷 ブランドを始める以前、そして辞めたあとも、僕はさまざまなファッションやスタイルを実践してきました。アメカジ、ヴィンテージ、ネイティブアメリカンカルチャー、そしてフレンチトラッドにいたるまで。それらの要素をすべてブレンドしたかった。こうした動きは今後のファッションシーンの中でも珍しい存在になれるのではないかと思ったんです。
当時のアーカイブコレクション。袖がレザーに切り替えられたスタジャンは、バックに入った雪の結晶を模した柄の刺繍がインパクト大。
編集部 懐かしくて新鮮なブランド、ということですね。リ・スタートにあたって、当時と異なる部分はありますか?
熊谷 年齢を重ねたこともありますが、20代の若い子たちの親と僕は世代が一緒のハズです。そんな彼らは両親のクローゼットに入っていたアイテムを見て育ってきたからか、僕と好きなものが被っている。
なので、彼らの意見も取り入れたものも積極的に作っていきたいと思っています。いろいろな要素がアタマの中に一緒くたに存在していたので、そういったもの整理してアイテムに落とし込んでいくという意味でもGDCを再開させたんです。
2000年代に刊行したアーカイブのフォトブック&ムック。表紙には当時ストリートシーンの一線にいた浅野忠信や降谷建志が登場した。
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