左上から時計回りに©Marden Smith、©Peggy Sirota、©Peter Lindbergh、©Peter Lindbergh ©Patek Philippe、©Mary Ellen Mark、©Robert Wyatt
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すべての写真を見るパテック フィリップの時計を“一生もん”として手にするのは、間違いではないが、正解でもない。
何気ない親子の風景が示すプライスレスな価値。本国社長の話を聞いて納得。所有しないことは、何よりも贅沢だ。
25年ぶりの新コレクション。いつか、子供の手に。
所有欲というヤツは厄介だ。大小さまざま、波のように次から次へとやってきて、消えることがない。それに対して“所有できない”贅沢さを謳うのがパテック フィリップである。
「カラトラバ」「ノーチラス」「アクアノート」……ラグジュアリーウォッチの代名詞を揃える名門は長らく「You never actually own a Patek Philippe(あなたは決してパテック フィリップを所有することはありません)」というコピーが付いたキャンペーンビジュアルを展開している。
昨年10月、25年ぶりとなる新コレクション「CUBITUS」のロンチの際、パテック フィリップ社長のティエリー・スターンさんに話を聞いた。
ティエリー・スターン●1970年、スイス生まれ。パテック フィリップで数々の役職を務めたのち、98〜2004年、新製品開発部門のトップに。09年、父フィリップ・スターンの名誉会長就任と同時に4代目社長に就任。「CUBITUS」を手掛けた。
「今日私が着けて、明日息子たちが着けても素敵でいられる。そうしたものが本当のラグジュアリーなのだと考えています。
だから“Never”なんです。例のコピーは『you merely look after it for the next generation.(次の世代のために世話をするだけです)』と続きますからね。
ただ、そういう存在であり続けるためには、最高レベルの品質、サービス、永続的な価値をキープする必要がありますが」。
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